研究課題/領域番号 |
20K06588
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤井 高志 大阪大学, 生命機能研究科, 特任准教授(常勤) (10582611)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | クライオ電子顕微鏡法 / 筋肉 / アクチン / トロポニン / 細いフィラメント / 心筋 |
研究開始時の研究の概要 |
カルシウム2状態の細いフィラメントの原子分解能構造を得ることによって「我々の心臓がどうやって鼓動しているのか?」という極めて重要な生理学的問題への原子レベルでの理解が得られると考えています。1960年代から膨大な生化学・生理学・構造生物学研究がなされているにも関わらず、細いフィラメントの構造研究は大変難しく、筋収縮・弛緩制御の構造生物学的基盤は確立されていません。また、肥大型・拡張型心筋症の原因において、トロポニンの単一残基の変異によりCa2+感受性亢進・抑制が筋収縮の機能異常を引き起こしており、原子レベルでの座標決定は、医学・創薬などの応用研究にとって極めて重要です。
|
研究実績の概要 |
骨格筋や心筋の筋収縮・弛緩は細胞内カルシウムイオン濃度([Ca2+])によって制御されている。筋収縮・弛緩は太いフィラメントを構成するミオシンの頭部がアクチン・トロポニン・トロポミオシンからなる細いフィラメントと結合解離を繰り返すことで引き起こされる。神経からの電気信号により筋小胞体から放出されたCa2+はトロポニンに結合し、トロポミオシンを移動させてアクチン分子表面のミオシン結合部位を露出させ、ミオシン-アクチン相互作用を可能にして両者の滑り運動が開始すると考えられている(立体障害説)。このメカニズムを原子レベルで明らかにするために、我々はこれまでに、分解能5~7オングストローム分解能でカルシウム2状態の構造解明を行い2020年にNature Communicationsに発表した。この分解能をさらに原子レベルの分解能(3オングストローム)に向上し原子レベルの動態を追究するために本年度導入された最新鋭のCRYO ARM300(JEOL)によりデータ収集を行った。また、データ収集にのぞむにあたって、氷包埋試料のさらなる最適化検討を行った。具体的には添加する界面活性剤の濃度や種類の検討を行った。CRYO ARM300は冷陰極型電界放出銃を備え非常に質の高い電顕像を得ることができる。また、自動化が高度に進んでいるため、効率的に品質の高い画像を大量に取得できる。カルシウム存在下・非存在下の2状態の画像データをCRYO ARM300によりそれぞれ7000枚ずつ取得した。
|