研究課題/領域番号 |
20K06592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
安藤 格士 東京理科大学, 先進工学部電子システム工学科, 准教授 (30385546)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | アミノ酸ホモキラリティー / 量子化学計算 / QM/MM / アミノ酸のキラル選択性 / 量子力学計算 / 分子動力学計算 / 自由エネルギー計算 / アミノアシル化反応 / RNA / アミノ酸キラル選択性 |
研究開始時の研究の概要 |
「アミノ酸にはL型とD型の光学異性体が存在するが、なぜ現在の生物はL-アミノ酸のみを利用しタンパク質を合成するのか?」これは生命進化の大きな謎の一つです。興味深いことに、原始的なRNA分子では、L-アミノ酸が優先的に結合されることが実験的に確認されていますが、その理由は未だにわかっていません。そこで、私たちは量子化学計算を用いてこの謎を解明しようと試みています。具体的には、L型アミノ酸とD型アミノ酸のRNAへの結合にはどれほどのエネルギーの違いがあるのかを計算し、その違いは何に起因するのかをコンピュータの中で調べます。
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研究成果の概要 |
地球上の生物はなぜL-アミノ酸(左手型アミノ酸)を利用するようになったのかという「アミノ酸のホモキラリティー」の起源問題は、生命進化の大きな謎のひとつであり、その鍵を握るものとして「L-アミノ酸選択的なRNAのアミノアシル化反応」が注目されている。しかし、なぜL-アミノ酸選択的なのか、その理由は明らかとなっていない。本研究では、シュレディンガー方程式に基づいた量子力学計算とニュートンの古典力学に基づいた分子力学・分子動力学計算を組み合わせたシミュレーション法によって、遷移状態を含むL-アミノ酸選択的なRNAのアミノアシル化反応全体のメカニズムを初めて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究成果は長年謎であった「タンパク質はなぜL-アミノ酸から構成されているのか?」という生命進化上の大きな問題の解決に対して、量子化学、分子化学の視点から新たな光を投げかけるとともに、生命進化という極めて生物学的な研究対象に対しても、計算科学が重要な枠割を果たすことができることを示している。また、本研究で得られた知見や、その計算手法は、キラル選択的な反応を制御するタンパク質工学・核酸工学への展開も期待できる。
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