研究課題/領域番号 |
20K06594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
日比野 佳代 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 助教 (40435673)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゲノムDNA / RNA転写 / 1分子イメージング / 超解像顕微鏡法 / クロマチン動態 / ヌクレオソーム / 単一ヌクレオソームイメージング / 1分子イメージング / ゲノム / 生物物理学 / 1分子生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
仮説「巨大な転写装置クラスターをハブとしたグローバルなクロマチンネットワークが存在し、これを介してクロマチン動態と転写が密接に制御されている」を検証するため、超解像顕微鏡技術、単一ヌクレオソームイメージング、計算機シミュレーション、ゲノムの3次元構造解析Hi-C法を組み合わせ、1)転写クラスターの動態とそのクロマチン構造や動態への影響、2)転写クラスターとクロマチンの連結機構、3)クロマチンネットワークの実態を調べる。これにより、生細胞でのクロマチン動態と転写制御の関係を明らかにし、遺伝子発現制御の理解を目指す。本年度は1), 2)を進める。
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研究成果の概要 |
生細胞内単一ヌクレオソームイメージング、超解像顕微鏡技術、目的タンパク質の短時間分解除去法(AID法)などを組み合わせ、相分離駆動の液滴様コンパートメントRNA転写装置クラスターがクロマチン構造や動態へ及ぼす影響を調べた。これにより、生きたヒト細胞におけるクロマチン動態と転写制御の関係を明らかにするとともに、相分離生物学分野で多用されている1,6-ヘキサンジオールが細胞内のDNAを凝集させるという予想外の作用を持つことを示した。さらに、エンハンサーとプロモータの相互作用を媒介するコヒーシンと転写クラスターがクロマチン構造や動態へ及ぼす影響を調べ、両者の相乗的な役割の一端を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、クロマチンの高次構造を調べる方法としてHi-Cが開発され、世界中に広まっている。本研究は、このHi-C法を利用した世界のトレンドとは一線を画し、新規イメージングを用いてクロマチン高次構造とその動態を転写制御の観点から解明するものである。本研究はHi-C法の研究に対して相補的な情報を得ることができる、世界的にみてユニークなものである。さらに、本研究で得られるヌクレオソームの動きのデータは、世界中でおこなわれている計算機シミュレーションによるクロマチン動態/転写制御モデリングの基盤データとして利用できる。これにより細胞内環境に即したより精緻なモデリングが可能となり、その波及効果は大きい。
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