研究課題/領域番号 |
20K06603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻村 太郎 京都大学, 高等研究院, 特定講師 (90741893)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゲノム / エンハンサー / 相互作用 / クロマチン高次構造 / 遺伝子発現 / CTCF / ゲノム編集 / STITCH / 数理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノムの機能を知る上で、エンハンサーと呼ばれる遺伝子発現制御ゲノム領域が、どのようにして特定の遺伝子を標的として発現活性化するかを明らかにすることは重要だ。これまでに、3次元的なゲノムの構造が重要であることがわかっている。特に「ドメイン」と呼ばれる、ゲノムの分画構造が、エンハンサーの標的を内部にとどめる構造であると提唱されている。しかしながら、この「ドメイン」の概念はそもそも曖昧であり、それがどうしてエンハンサーの標的を決定できるのかも定かでない。本研究では、様々なゲノム編集を施すことで、遺伝子とエンハンサーの関係を規定する真のメカニズムに迫る。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒトiPS細胞MYC遺伝子座のスーパーエンハンサー制御をモデルに、どのようにしてエンハンサー相互作用の形成と阻害が制御されているのかを解析した。まず、ATAC-seqによりエンハンサー因子の探索、同定を実施し、さらに、それらを指標にして、スーパーエンハンサー領域の部分欠失やクロマチン高次構造形成阻害のゲノム編集を実施した。また、クロマチン高次構造の新たな検出手法を適用し、特に、MYCがスーパーエンハンサー内の複数エンハンサー領域と同時にコンタクトする様子を検出することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子発現の時間的・空間的に正確な制御は、個体のもつ多様な生命機能発現の根幹であり、そのメカニズム解明は重要である。遺伝子の発現パターンは、その周辺ゲノム領域に存在する個々のエンハンサー活性で決まる。 ここで、遺伝子と遺伝子の間にあるエンハンサーが、どの遺伝子を選択的に標的とするかは自明ではない。本研究では、エンハンサー標的遺伝子決定の制御機構について本質的理解を得ることを目的として、特に、ゲノム編集を実施した。そして、エンハンサー活性を順次減少させたり、また遺伝子とのコンタクト頻度を順次変化させたりできる一連のゲノムアリルを得ることができた。今後の解析で重要な知見につながると期待される。
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