研究課題/領域番号 |
20K06606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
朴 聖俊 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (40759411)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ゲノム高次構造 / 遺伝子転写制御 / バイオインフォマティクス / 染色体高次構造 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノムの三次元構造は遺伝子発現制御領域を物理的に制約し、染色体内・染色体間ゲノム配列の相互作用の場を作り出す。この空間場で高度に複雑な転写ファクトリーが機能しているが、その詳細については不明な点が多い。本研究では、大規模公共次世代シークエンスデータを利用して、転写制御に関わる局所的三次元構造を定義し、転写制御領域の空間場におけるゲノム・エピゲノム因子の網羅的検出と、それらの調節役割を定量的に解析する計算手法を開発する。この手法を用いて制御空間場を特徴付けるプロファイルを構築・学習し、組織・細胞間比較解析を行う。これによって、ゲノム高次構造を介した遺伝子発現制御機構の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
ゲノムの長距離コンタクトを介した遺伝子転写制御は、正常ゲノム機能維持に必須であり、その破綻は異常細胞分化や異常発生などの原因となる。標的遺伝子の空間的近傍に存在する長距離コンタクトゲノム部位は、多種多様な転写調節関連因子の高度な相互作用のきっかけとなり、いわゆる、空間的転写ドメインの形成に貢献する。本研究では、このような転写ドメイン内におけるゲノム・エピゲノム転写調節因子の網羅的同定と、それらを定量的に解析する数理モデリング手法を開発した。これにより、ゲノム高次構造の機能的重要性に対するより深化した解析が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ゲノムトポロジーと遺伝子発現の動的共役をより包括的に理解するための情報科学的手法を提案した。つまり、既存の発現制御に重要なコンタクトゲノム部位の同定に留まらず、プロモーターとコンタクトゲノム部位の配列情報から潜在的な転写因子間相互作用を推定し、さらに、コファクターやメディエーターのタンパク質間相互作用を取り入れ、転写ドメイン内の制御シグナルの伝達様相を可視化した。これは、いわば「ゲノム高次構造を介した転写制御シグナローム」という新しい学術的分野の展開に貢献するであろう。
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