研究課題/領域番号 |
20K06608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
亀谷 将史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (80748517)
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研究分担者 |
石井 正治 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30193262)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | TCA回路 / rTCA回路 / 代謝複合体 / 炭酸固定 |
研究開始時の研究の概要 |
代謝酵素複合体とは、ある代謝系を構成する酵素群が形成する複合体を指し、中間代謝物の拡散防止など多くの代謝の効率向上に寄与することが知られている。TCA回路においても代謝酵素複合体の存在が知らるが、その進化的起源は不明である。本研究では、TCA回路を逆回転させ二酸化炭素を固定するreductive TCA (rTCA)回路でも複合体は形成されるか、またその機能を明らかにする。これにより、炭酸固定を効率的に進めるための機構を明らかにする。さらに、rTCA回路がTCA回路の祖先型であるという進化関係に着目し、TCA回路の代謝酵素複合体の起源やその進化過程の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
rTCA回路を有する細菌の中で古くに他から分岐したAquificota門に属するHydrogenobacter thermophilusを材料に、代謝複合体形成を検討した。ゲル濾過分画やアフィニティタグを利用した酵素間相互作用のin vitro検出、またタンパク質間架橋処理やBN-PAGE、抗体による特異的検出などを行った。TCA回路で報告例のあるような強固な結合は検出されず、このような複合体形成はrTCA回路からの分岐後に独自進化したものである可能性が示唆された。一方、in vitro解析では弱いながらも結合性を示す酵素もあり、特定の条件でタンパク質間相互作用が起こる可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代謝酵素複合体とは、ある代謝系を構成する酵素群が細胞内で形成する複合体である。TCA回路においても代謝酵素複合体が形成されることが知られているが、その進化的起源は明らかでない。 TCA回路を逆回転させた二酸化炭素固定経路、reductive TCA (rTCA)回路はTCA回路の祖先型代謝と推定され、TCA回路という生物普遍的な代謝系の進化を理解する上で不可欠な存在である。本研究を通じて、rTCA回路における複合体形成を検証し、液液相分離など微弱なタンパク質間相互作用についての概念・研究手法を適用することでさらなる解明につながる結果が得られた。
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