研究課題/領域番号 |
20K06615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 (2022) 東北大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
宇田川 剛 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (20644199)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 翻訳 / 品質管理 / リボソーム / タンパク質凝集体 / タンパク質分解 / 神経変性 / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子発現の異常は様々な疾患の原因となる。生体にはこれらの異常に対応するための多様な品質管理機構が備わっている。本研究では異常な翻訳停滞により誘導される新生タンパク質品質管理機構RQC (ribosomeassociated quality control)に着目し、この機構の破綻によるタンパク質凝集体形成と細胞死誘導の分子機構を解明する。特に、(1)細胞死誘導のシグナル系の同定、(2)タンパク質凝集体の実体の解明、(3)RQCが機能不全に陥った際の遺伝子発現への影響の解明、に焦点を絞り、これらを明らかにすることで、哺乳類細胞におけるRQC機構の重要性の理解を深める。
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研究成果の概要 |
本研究では異常な翻訳停滞により誘導される新生タンパク質品質管理機構であるRQC(ribosome-associated quality control)による異常新生タンパク質の分解機構とその破綻による細胞死誘導機構の解明を目的として、異常新生タンパク質のC末端に付加されるペプチドタグの同定とその機能および毒性機構の解明を試みた。その結果、アラニンを主成分とし他に複数のアミノ酸を含むペプチド鎖がRQC標的となる終止コドンを欠失したmRNAの翻訳産物に付加されることが明らかとなり、このペプチド鎖が異常タンパク質蓄積レベルの違いによりタンパク質分解、あるいは凝集・細胞死を誘導することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、新生タンパク質の品質管理がタンパク質恒常性の維持に重要な役割を果たし、その異常が神経・精神疾患、がん、生活習慣病などさまざまなヒト疾患にも関わることが示唆されている。本研究では異常な翻訳停滞によって誘導される新生タンパク質分解機構RQC(ribosome-associated quality control)に注目し、神経変性疾患の原因となりうることが報告されていた異常新生タンパク質の末端修飾(CATテイル)の同定とCATテイル化タンパク質の蓄積が細胞死を誘導する際の配列依存性を解明することに成功した。
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