研究課題/領域番号 |
20K06620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
木村 洋子 静岡大学, 農学部, 教授 (80291152)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 熱ストレス / 酵母 / 液胞 / 形態変化 / 陥入 / 相分離 / 陥入形成 / 核膜孔複合体 / Hfl1 / 膜陥入 / Atg8 / 核 / 膜 / 核膜 |
研究開始時の研究の概要 |
酵母では致死的な高温(例50℃)を与えられた場合と、亜致死的な高温(例40℃)を持続的に与えられた場合では、熱耐性を獲得する機構が異なることが考えられる。本研究では、後者の熱ストレスに対する熱耐性獲得機構を、液胞と核の形態的変化を手掛かりにして明らかにする。熱ストレス時には液胞膜は陥入を形成するが、これまでに陥入形成に必要な因子としてESCRT系の分子群とユビキチン、逆に陥入を抑える因子としてAtg8を明らかにした。本研究で陥入の形成や制御機構を明らかにし、液胞膜恒常性維持の重要性を明らかにする。また熱ストレス時に核膜孔タンパク質の局在異常が観察されたので、核膜上で起きている現象を解明する。
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研究成果の概要 |
我々は真夏の昼間の状態に似た持続的で亜致死的な熱ストレスが、細胞にどのような変化をもたらすかを、真核生物のモデル生物である酵母を用いて解析した。 酵母では熱ストレス時に液胞膜の陥入形成が起き、このとき液胞膜は相分離していること、さらに液胞膜陥入の形成がAtg8やAtg8結合タンパク質Hfl1を含む細胞内因子によって制御されていることを明らかにした。液胞膜の陥入形成はストレス時の液胞膜面積の急激な増加に対するバッファー機能として考えられるが、恒常的に液胞膜の陥入を起こしている変異株を見出し、さらにその変異株がストレス感受性になることを発見し、液胞膜の陥入は適切に制御されていることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱ストレスによる液胞膜の陥入形成の亢進、及び陥入を制御する分子の同定は申請者らによるオリジナルな発見である。液胞膜陥入は熱ストレス時の液胞膜の膜面積の急激な増加に応じて、そのまま液胞の体積を増やさないようにする細胞の制御機構の可能性があるが、細胞内因子によって制御されていることを申請者のグループが初めて明らかにした。 また通常では液胞が球状の形態をとるのは、エネルギー的に球状が最も安定であるからと考えられるが、恒常的に陥入形成している変異株の取得により、細胞には液胞を積極的に球状に保つ機能がある可能性や、さらに、液胞の形態変化は生命活動を制御する機構の一つである仮説も発展的に考えられた。
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