研究課題/領域番号 |
20K06630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
豊田 雄介 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (10587653)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アレスチンAly3 / グルコース欠乏環境 / TORC2 / Akt様キナーゼGad8 / Ght5 / ユビキチン化 / 液胞輸送 / 細胞増殖 / アレスチン / グルコース枯渇 / TORC2経路 / Gad8 / 糖輸送体 / リン酸化 / 低濃度グルコース / 分裂酵母 / 窒素源枯渇 / TORC1 / Aktキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
細胞外の栄養状態の変動に対する適切な応答は、細胞機能の維持に重要である。栄養環境を感知して細胞機能を制御するキナーゼ複合体として、TORC1、TORC2が知られている。TORC1はアミノ酸により活性化してタンパク質合成や細胞成長を促進する一方で、TORC2はグルコースにより活性化して糖代謝、細胞増殖を促進することが知られている。今まで見落とされていた、グルコース代謝調節におけるTORC1の役割を示唆する予備的な結果を我々のグループは得た。この知見を元に、細胞外のグルコース濃度の変動に対する応答におけるTORC1とTORC2の役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
分裂酵母は幅広いグルコース濃度で活発に増殖するが、低濃度では糖輸送体Ght5がTORC2経路により細胞表面に局在する必要がある。本研究はその仕組みを解明した。TORC2経路を欠損するgad8変異体の増殖欠損を抑制する変異として新規アレスチンAly3を見出した。一般にアレスチンは膜タンパク質のユビキチン化を促進する。そこでgad8やaly3変異細胞におけるGht5のユビキチン化を検出した結果、TORC2経路はAly3依存的なGht5のユビキチン化を抑制することでGht5の表面局在を保障することを見出した。また、グルコースではなく窒素源(アミノ酸)がGht5の表面局在に必要であることも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は今まで不明だった、TORC2経路が糖輸送体Ght5の細胞表面局在を保障する分子メカニズムを明らかにした。分裂酵母の4種類のαアレスチンのうちAly3だけがGht5のユビキチン化とそれに伴い起こる液胞輸送を促進し、そしてAly3のこれらの機能はTORC2経路により抑制されることが解明された。さらに、窒素源枯渇環境下でGht5がAly3依存的に液胞輸送されることは、栄養環境によるTORC2経路の調節を示唆する。また、本研究は細胞がグルコースと窒素源(アミノ酸)という異なる栄養素をバランス良く取り込むしくみの一端を解明したと言え、この知見は新しいがん治療法開発の基盤となると期待される。
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