研究課題/領域番号 |
20K06632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岩本 政明 日本大学, 文理学部, 教授 (80450683)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 核膜孔複合体 / ヌクレオポリン / 免疫電子顕微鏡法 / 核分化 / テトラヒメナ / 繊毛虫 / Nup107-160複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
核膜孔複合体の構造は、単細胞生物から高等動物に至るまでよく保存されたものであると考えられているが、単細胞生物のテトラヒメナが持つ二種類の核の核膜孔複合体は、共通の核膜孔タンパク質で構築されているにも関わらず構造が異なっていると予想される。本研究では、テトラヒメナの核膜孔タンパク質各種が核膜孔複合体内部のどこに配置しているのかを免疫電子顕微鏡法によって解析し、テトラヒメナの核膜孔複合体がどのように構築されており、それらが大核と小核の間で、あるいは他の生物種の核膜孔複合体との間でどのように異なっているのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
テトラヒメナは、同じ細胞内に大核と小核という2種類の機能の異なる核をもつ二核性生物である。これまでに、大核と小核の核膜孔複合体を構成する核膜孔タンパク質は一部が異なっているが、大部分は両核に共通する成分であることが知られていた。しかしながら、それらの共通成分が構築する核膜孔複合体の構造領域は大核と小核で同じ形状なのか、あるいは異なっているのかは不明であった。本研究では、両核共通の核膜孔タンパク質の核膜孔複合体内における配置を免疫電子顕微鏡法によって調べた。その結果、大核と小核の核膜孔複合体では、同じ組み合わせの核膜孔タンパク質によって大きく異なる形状の構造領域が形づくられていることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核膜孔複合体に関するこれまでの研究の多くは、オピストコンタに属する出芽酵母や哺乳類細胞を用いて行われてきたことから、核膜孔複合体の構造と機能は単細胞生物から高等動物まで広く保存されたものと認識されている。しかしながら、アルベオラータに属するテトラヒメナの大核の核膜孔複合体は、まったく新奇の構造を呈するものだった。この知見は、核膜孔複合体は考えられていた以上にバリエーションに富んだ構造体であることを示唆しており、テトラヒメナの核膜孔複合体の多様な構造と、大核および小核に特有の核機能との関連性を調べることによって、今後、核膜孔複合体の未知の機能が明らかになっていくものと期待される。
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