研究課題/領域番号 |
20K06636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂巻 純一 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (10825938)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マクロピノサイトーシス / CRISPR-Cas9 / ユビキチン / リン脂質 / オートファジー / CRISPR-Cas9システム / 膵管腺がん |
研究開始時の研究の概要 |
マクロピノサイトーシスは細胞外液に含まれる高分子を細胞内に取り込み、分解する機構である。この機構はがん細胞で活性化しており、その生存と増殖のためのエネルギー供給源となっていることが示唆されている。しかし、この経路の分子制御機構は未だ不明な点が多く、特異的な阻害法が確立していない。本研究では、CRISPR-Cas9システムを用いたゲノムワイドスクリーニングによるマクロピノサイトーシス制御遺伝子の網羅的探索を行い、同定した特異的制御因子の不活性化ががん細胞の増殖を抑制するのか調べることで、マクロピノサイトーシスが実際にがんの増殖に寄与し、抗がん剤開発の標的となりうるか検証する。
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研究成果の概要 |
マクロピノサイトーシスは細胞膜のラメリポディアの伸長と退縮により、細胞外液とそこに含まれる高分子を細胞内に取り込み、リソソームで分解する機構である。本計画では、マクロピノサイトーシス制御遺伝子を同定するために、CRISPR-Cas9システムを用いたゲノムワイドスクリーニングを行った。平行して行った研究により、真核細胞においてオルガネラ膜を構成するリン脂質がユビキチン化されることを発見した(Mol Cell 2022)。また、オートファジー活性レポーターを用いたCRISPRスクリーニングを行い、プリン核酸合成がオートファジーを負に制御することを発見した(J Biol Chem. 2021)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユビキチンとタンパク質の共有結合は真核細胞で普遍的に見られる修飾反応である。ユビキチン化は標的タンパク質の分解や性質の変化をもたらすシグナルとして働き、細胞の恒常性を維持する上で重要な働きを担っている。この機構の破綻はがん、神経変性、感染症などの疾患に関連することが示唆されている。ユビキチン化の標的は長らくタンパク質のみであると考えられてきたが、本研究ではオルガネラ膜を構成するリン脂質であるホスファチジルエタノールアミンがユビキチン化されることを明らかにした。多くの生命現象や疾患に関連することが知られているユビキチンの全く新しい機能を解明し、ユビキチン化修飾の概念や考え方を変える新発見である。
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