研究課題/領域番号 |
20K06645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
戸谷 美夏 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (80455360)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 上皮細胞 / 微小管編成 / 腎臓 / 嚢胞腎 / 微小管マイナス端 / CAMSAP3 / 変異マウス / 遺伝子発現解析 / ノックアウトマウス / 非中心体微小管 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓は、血液中から老廃物を除去し、体内の水分や塩分の調節を担う重要な臓器である。腎臓を構成するネフロンでは、濾過された原尿が尿細管に流れ込み、水分、塩分、糖分やアミノ酸が再吸収される。我々は、微小管細胞骨格を制御するタンパク質(CAMSAP3)が、腎臓の構造異常をひきおこす新たな原因となることを見出した。これまでの解析で、CAMSAP3変異マウスの腎臓では、尿細管の一部が拡張して多発性の嚢胞を形成し、加齢とともにその状態は進行することがわかった。本研究では、CAMSAP3の変異による微小管細胞骨格の乱れが、どうして尿細管を拡張し、嚢胞腎を形成するのか、そのしくみを分子レベルで明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
腎臓にできる嚢胞は、50才以上のヒトの半数がもつと言われる。その多くは症状を示さず良性であるが、多発性嚢胞腎など遺伝的な病気と原因遺伝子が知られ、分子機構の解明を目指す研究がなされている。しかしながら、腎嚢胞が形成されるしくみは、未だ多くのことが分かっていない。我々は、尿細管壁を構成する上皮細胞での微小管編成の乱れが、尿細管を拡張させ、嚢胞腎をひきおこすことを見出した。本研究では、変異マウスを用いて、精緻な構造をもつ腎組織における、尿細管の微小領域の組織・細胞形態の変化と、それに連携する遺伝子発現変動をとらえ、上皮微小管が司る嚢胞腎形成の分子機構に関わる候補因子をとらえることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
未だ多くのことが明らかになっていない腎嚢胞形成の分子メカニズムについて、新たな遺伝子発現のデータセットが得られた。今回の研究では、腎嚢胞を、尿細管の拡張、さらに、尿細管の壁を構成する上皮細胞の形態変化としてとらえた。微小領域を採取しての解析からは、組織をばらしての1細胞解析で得ることができない、組織・細胞の形態変化と遺伝子発現変動を連携させた発現遺伝子のプロファイルが得られた。進行中の解析から、細胞内の微小管編成がつかさどる嚢胞腎形成の新たな分子メカニズム、および、腎臓がその精緻な構造とそれにともなう機能を維持するしくみの理解が深まり、基礎生物学、基礎医学に貢献すると考える。
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