研究課題/領域番号 |
20K06652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
李 知英 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 非常勤講師 (20402860)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 心臓オルガノイド / 多能性幹細胞 / ヒト多能性幹細胞 / 心肺発生 |
研究開始時の研究の概要 |
動物の個体発生において臓器新生は最も重要なイベントである。循環器、呼吸器、消化器などの生命体が機能するための必須な臓器は発生過程で時間・空間的に厳密に制御されることによって形成される。統合的観点から発生過程のを理解するため、本研究では自己組織化のシグナル経路解明による多能性幹細胞からの心肺連携オルガノイド作製技術を完成させるとともに、遺伝子発現、組織学、微細構造解析などにより有効なオルガノイド性質評価系を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、胎児の心臓で発現するBMP10を添加することで形態変化の精度が高いヒトES細胞由来心臓オルガノイドを作製し、心臓オルガノイドの多様な心筋細胞のマーカー、Naイオンチャネルタンパク質とCaイオンチャネルタンパク質の発現とともにNa電流とCa電流の存在を示した。また、PORCN 阻害剤(C59)と脂肪酸は心臓オルガノイドの心筋細胞をより成熟させることに有効であった。ヒト多能性幹細胞からの心肺連携オルガノイド作製技術についてROCK阻害剤が肺オルガノイド作製に重要であることを示した。一方で、心臓オルガノイドの内部構造評価のために肉柱形成の定量的画像解析法の構築を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
作製されたヒト心臓オルガノイドは心筋細胞マーカーの発現、NaとCaイオンチャネルタンパク質を持つだけではなく、NaとCa電流が確認され、各電流のパターンは生体の心臓に極めて似ていることが明らかとなった。その他にもHERGやIK1チャネルの発現が確認されたことからヒトES由来心臓オルガノイドは心臓の電気生理学的性質を総合的に再構築したものであると考えられる。これらの心臓オルガノイドと評価系を用いることで、将来的に薬剤毒性評価やdrug screeningに有効に活用できると考えられる。また、肺オルガノイドにおいても薬剤毒性評価系などの構築ができると予想されるため、医療への貢献が期待される。
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