研究課題/領域番号 |
20K06653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
瓜生 耕一郎 金沢大学, 生命理工学系, 助教 (90726241)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 体節形成 / 分節時計 / 数理モデル / 同期 / 細胞移動 / 位相振動子 / 数理生物学 / ゼブラフィッシュ |
研究開始時の研究の概要 |
形態形成で見られる細胞集団の協調的振る舞いは、細胞間相互作用によって生じる。組織中で細胞は移動し、相互作用する相手を時間とともに変化させる。そのため細胞移動は情報の流れに影響し、組織における特徴的な遺伝子発現パターンを実現しうる。本研究では、脊椎動物体節形成で観察される遺伝子発現リズム(分節時計)の同期現象を解析することで、細胞移動と遺伝子発現動態の関係性を解明する。数理モデルとイメージングデータを組み合わせ、野生型ゼブラフィッシュ胚の同期パターンを組織の前後軸間で比較することによって、「細胞移動は分節時計同期を促進する」という理論予測を実験検証することを目指す。
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研究成果の概要 |
ゼブラフィッシュの体節形成で観察される細胞の動きが、分節時計の細胞間同期に及ぼす影響を理論的および実験的アプローチにより解析した。動く細胞集団の統計記述を導出し、細胞の動きは細胞間のカップリングを強めるのと同等なはたらきをし、遺伝子発現リズムの同期を促進することを明らかにした。一方で、細胞の動きはリズム位相の分散を増加させる。分散の増加率は遺伝子発現パターンの波長に依存し、波長の短い組織前側で細胞が動くと、分散が大きくなりロバストに体節が作れなくなる。理論予測を実験的に検証するため、生体内で分節時計のイメージングを行い、再同期過程において複雑な空間パターンが現れることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物の発生では、組織の中を細胞が動き、それにより形作りが起きる。また、細胞は細胞間のコミュニケーションにより遺伝子発現を変化させ、その運命を決める。細胞の動きと遺伝子発現の変化はこれまで別々に研究されてきた。そのため細胞の動きがどのように細胞間のコミュニケーションに影響を及ぼし、遺伝子発現を変化させるかは分かっていない。本研究では理論と実験を組み合わせたアプローチにより、細胞の動きが遺伝子発現リズム(分節時計)に及ぼす影響の解明をおこなった。
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