研究課題/領域番号 |
20K06654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小島 洋児 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (70720811)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヒト始原生殖細胞(PGCLCs) / 遺伝子制御ネットワーク / ヒトiPS細胞 / 単一細胞トランスクリプトーム / 始原生殖細胞様細胞(PGCLCs) / ネットワーク / 因果推定 / 始原生殖細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトiPS細胞から生殖細胞系列への分化系を用いて、ヒトの生殖細胞分化の分子機序を明らかにする。従来のような遺伝子改変による候補遺伝子の機能を検証する際、これまで申請者が蓄積したヒトiPS細胞から生殖細胞誘導実験のトランスクリプトームデータを元に、数学者の協力を得て新規数理モデルを作製し、分化に関わる候補遺伝子を絞り込む。それを元に新規の遺伝子改変モデルを作製し、その結果からさらに数理モデルを改良する、という流れを繰り返し、生殖細胞の初期の遺伝子制御機序を解明する。その中で、他の細胞種への分化機構もトランスクリプトームから解明する、より汎用性の高い数理モデルを作製することも目指す。
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研究実績の概要 |
令和2年度から3年の助成終了時までで、前年度に作製した、ヒトiPS細胞から始原生殖細胞様細胞(Primordial germ cell-like cells; PGCLCs)への分化経過の、半日おきの10Xクロミウムを用いた単一細胞トランスクリプトームデータを用いてさらに候補遺伝子を絞り込んだ。今回は数学的手法としてoptimal transportの理論を用いることで、それまでPCAやtSNA、UMAPなどのクラスタリング手法でも分けられなかった分化早期の細胞を、PGCLCsへと分化するクラスターとPGCLCs以外の胚体外組織などに分化していくクラスターを検出することに成功し、これらを用いて、分化早期にPGCLCsになる細胞群で発現している遺伝子を検索する一方で、PGCLCsへの分化から逸れる細胞群で特徴的に発現が増加する遺伝子の検出に成功した。本期間で検出したPGCLCsへの分化を抑制していると考えられる遺伝子群は、その発現を抑制することがPGCLCsへの分化を強化すると考えられ、非常に興味深い。また、PGCLCsになると考えられる細胞群で検出した遺伝子群は、前年度に用いた因果推定手法(LiNGAM法)で検出できた遺伝子と一部重複した遺伝子を検出しており、関連が高いと考えられた。これらの結果より、PGCLC分化に関与している候補遺伝子2個、PGCLC以外の分化に関与している候補遺伝子2個に対して、ノックアウトヒトiPS細胞株の作製を開始し、分化実験を始めるに至った。
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