研究課題/領域番号 |
20K06656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
竹内 隆 鳥取大学, 医学部, 教授 (70197268)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 組織比率 / 尾 / イベリアトゲイモリ / ゲノム編集 / Hox13 / Hox / 器官サイズ比 / 尾長 / 椎骨 / hox / 椎骨数 / 軟骨形成 / 椎骨サイズ / 器官サイズ / 形態形成 |
研究開始時の研究の概要 |
動物の器官や四肢、尾などのサイズはそれぞれの種固有の比率をもつ。また、再生できる動物では再生過程でもこの比率が再獲得される。しかし、どのようなしくみでこの比率が決まり、維持され、そして再獲得されるかについてはほとんどわかっていない。私たちは個体全体の形成に深く関わるhox遺伝子の一群を破壊したところ、著しい尾の伸長(野生型の2倍以上)を見出した。この結果は、これらの遺伝子が尾の伸長を抑制することでイモリ固有の尾の比率の決定や維持に強く関与することを示している。本研究では、この変異体の解析や移植実験を基盤に発生および再生過程での尾の比率の決定と維持を指令するカスケードの解明をめざす。
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研究成果の概要 |
ゲノム編集で作製されたHox13変異体イモリは尾長が著しく増加する。多くが未解明である組織サイズ比の決定・維持機構の理解のため、この変異体に注目し、以下の結果を得た。 (1) 尾長の伸長異常がHox13遺伝子自身の変異によること、特にa13とc13が寄与することを生殖系列変異体の作製により確認した。(2) 上記伸長異常は尾椎数の異常増加による。(3) 野生型成体の尾端で Hox13のすべてのパラログ遺伝子および中胚葉前駆細胞や神経前駆細胞のマーカー遺伝子が発現する。これらの成果からHox13が尾端の前駆体細胞の分化・増殖を制御し、尾長比が一定になるよう調節していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトも含めてほとんどの動物の組織の比率はほぼ一定になるように制御されている。その破綻は健常な生命活動を困難にする。また、この制御は様々な動物が環境に適応しながら生存するために必須である。しかし、その仕組みはほとんど解明されていない。遺伝学的にこの課題を困難にしてきた理由の一つは組織比率が異常になる変異体がほとんど発見されていないことにある。本研究はまさにその変異体に注目し、その制御機構の一端を解明した。本研究の発展により様々な組織の比率が一定になる制御機構の一般原理の解明が期待できる。
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