研究課題/領域番号 |
20K06657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
松崎 貴 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (90241249)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 白髪モデルマウス / 血流遮断 / Dct / 色素幹細胞 / 老化 / 毛周期 / 毛包 / 薬剤開発 / 白髪化 / 血流 / 低酸素 / 血流阻害 / 磁石 / 一酸化窒素 / 虚血 / メラニン合成 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
老化現象の一つである白髪化は、ニッチ分子の減少により色素幹細胞が分化してしまうことが主因と考えられている。しかし、白髪が黒く復活することもあり、必ずしも幹細胞の枯渇が原因とは言い切れない。我々は、マウス皮膚の血流を一時的に遮断すると白髪化を誘導できること、その度合いが毛周期のステージによって違うことに気付いた。本研究では、皮膚圧迫法で白髪化を誘導し、血流量および色素細胞の分化段階と白髪化との関係を調べ、特に、酸化ストレスが特定の分化段階にある色素細胞に作用することで白髪化が起こる可能性、酸化ストレスの量を人為的に調節することによって白髪の発症を抑制できるかどうかを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
毛周期の成長期を誘導したマウスの背部皮膚を、両側からC字型ネオジウム磁石で挟んで6時間以上圧迫すると白毛化が起こった。白毛毛包でもバルジ部に色素幹細胞が確認されたことから、幹細胞の増殖・分化が抑制されることが原因であると考えられる。毛包ごとに白毛と黒毛とが分かれるモザイクパターンとなったが、3回の毛周期にわたりパターンが維持された。白毛化マウスの皮膚に、色素細胞の分化促進因子DBcAMPやSilibininを注射したところ、一つ前の毛周期と比べ黒毛の割合が最大で約20%増加した。この白毛化マウスは、適切な処置により復活が可能な老化初期の白髪の良いモデルであり、白髪改善薬の開発などに有用である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
毛色は色素細胞が毛周期の成長期に増殖・分化することで生じる。従来、老化やストレスによる白毛化は色素幹細胞の枯渇が原因と言われており、放射線連続照射による白毛誘導マウスモデルが知られている。一方、白毛化の初期段階では黒毛に回復することがあるが、この過程を模倣するモデル動物はなかった。我々はマウスの背部皮膚を磁石で挟んで圧迫すると白毛化が起こることを発見した。この白毛化マウスでは毛包色素幹細胞は残存しているものの、増殖や分化が抑制されており、色素細胞の分化促進因子を注射すると黒毛が増加した。すなわち、黒毛復活が可能な老化初期の白髪の良いモデルであり、白髪の機序解明や改善薬の開発などに有用である。
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