研究課題/領域番号 |
20K06661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岡村 大治 近畿大学, 農学部, 講師 (80393263)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 腫瘍原性 / コレステロール生合成 / アポトーシス / 未分化 / ドーパミン作動性ニューロン / 細胞死 / コレステロール生合成阻害剤 / 細胞分裂 / 心筋誘導 / 再生医療 / 未分化細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
コレステロールは細胞にとって必要不可欠であり、細胞と外部環境との境界である細胞膜を構成する主要な脂質のひとつである。このようにいかなる細胞も持ち合わせている特性を利用した、「腫瘍化の恐れのある未分化iPS細胞の除去」ならびに「目的機能細胞」を精製/純化するための技術は、様々な組織・細胞の移植に適用されることが想定され、また同じ増殖性の高いがん細胞への効果も含めて極めてユニバーサルな基幹技術となることが期待される。
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研究成果の概要 |
ヒトiPS細胞を用いた細胞治療を行う際、「残存する未分化細胞による腫瘍形成」が今なお大きな課題として残されている。我々はコレステロール生合成阻害剤が無血清培地という条件の中で、増殖過程にある未分化な多能性幹細胞ならびに未成熟分化細胞のほぼ全てをアポトーシスにより死滅させることを見出した。より重要なことは増殖を止めた成熟分化細胞の生存・機能には全く影響を与えなかった点にある。本成果はiPS細胞を用いた移植医療を行う上でもっとも大きな課題である「腫瘍化の恐れのある未分化細胞を除去」ならびに「成熟分化細胞」を精製/純化するための基盤技術となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当該申請技術は未分化iPS細胞の除去作用に加え、分化途上にある未成熟分化細胞も除去可能であり、セルソーティングなどでの物理的な純化や組織・細胞に特化した純化技術を必要とせず、またコレステロールというあらゆる細胞が必要とする構成分子に対する阻害剤であることから、組織・細胞または動物種を問わない極めてユニバーサルな残存する未分化iPS細胞による腫瘍リスク除去技術そして成熟分化細胞の純化技術となる可能性がある。また物理的な純化を必要としないため、目的分化細胞の集合体である既存の「細胞シート(心筋・網膜・角膜など)」に対しても極めて有効に作用する可能性がある。
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