研究課題/領域番号 |
20K06666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 千葉大学 (2022) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
田尻 怜子 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (70462702)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 形態形成 / ECM / クチクラ / 変形 / クチクラタンパク質 / 折り畳み / キチン / クチクラ変形 / ショウジョウバエ / キチン結合タンパク質 / 体型 |
研究開始時の研究の概要 |
生物のかたちをつくりだす細胞レベルの機構についてこれまで盛んに研究されてきたが、多くの生物でかたちを直接的に規定する組織は主に細胞外基質から成る。こういった細胞「外」に宿るかたちをつくりだす仕組みはよく分かっていない。私は以前、昆虫の発生過程においてクチクラそのものの変形が体のかたちを決める例を見出し、その変形がクチクラを構成する分子の一つに依存することを示した。この分子がクチクラの中で他の分子と相互作用しながら動的にふるまい、クチクラの変形に必要なパターンをつくりだすことが示唆された。本研究ではその検証を通じて、細胞外におけるクチクラ分子の自己組織化が体のかたちを決める機構の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、モデル生物であるショウジョウバエにおいて外骨格ECM(クチクラ)の変形が変態初期の全身体形の変化を駆動することに注目し、その変形のもととなる幼虫期のクチクラの折り畳みをつくりだすクチクラタンパク質の働きを解析した。その結果、クチクラタンパク質がクチクラの中で自らの性質に従って固有の動態を示すことを見出した。さらにこの研究の過程で、変態初期に起こるクチクラの変形の機構について示唆を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでECMは細胞から分泌されてそこに定着するだけの受動的・静的なものとみなされてきた。しかし本研究ではクチクラタンパク質が細胞外で、分子自身の性質にもとづいてダイナミックにクチクラを折り畳むことが見えてきた。生物の形がどのようにつくられるのかという古典的な課題に対して、従来の研究では個々の細胞の動態にもとづく説明がなされてきたのに対し、本研究の成果は細胞「外」におけるECM分子の動態という新しい答えをを提示するものである。
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