研究課題/領域番号 |
20K06674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
元山 純 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (70321825)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 神経幹細胞 / 細胞分化 / マウス胚 / 大脳皮質 / カルシウムイオン / Shh / カルシウム / イオンチャネル / 細胞分裂分化 / 細胞内Ca2+シグナル / 神経発生 |
研究開始時の研究の概要 |
ソニックヘッジホッグ(Shh)は発生過程で細胞分裂、分化、細胞間相互作用等を制御する分泌タンパク質である。申請者はマウス大脳皮質発生過程で、低濃度のShhが細胞内Ca2+濃度の変動を介してVZ(Ventricular Zone: 大脳皮質最下層、神経前駆細胞と中間前駆細胞が局在する領域)での細胞分裂・分化を制御している可能性を発見した。Ca2+は細胞の内的・外的刺激に応じて変動するセカンドメッセンジャーであるが、低濃度のShhにより活性化される細胞内Ca2+濃度変動の役割は不明である。本研究ではShhによるCa2+濃度変動依存的な神経前駆細胞ないし中間前駆細胞での分裂・分化制御機構を解明する。
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研究成果の概要 |
Ca2+イメージングを用いて、神経幹細胞(NPC)の発生に伴う[Ca2+]i変動のパターンの時間変化を検討した。未分化NPCの[Ca2+]iは神経分化に伴い減少すること、未分化NPCでは一過性の[Ca2+]i変動を示すものは少ないが未熟ニューロンでは多かった。NPCの示す[Ca2+]i変動はT型カルシウムチャネルに依存し、T型カルシウムチャネルを遮断するとNPCの分化が阻害された。in vivoでCav3.1をRNAiでノックダウンすると、未分化NPCが維持されニューロン分化が抑制された。よって未分化NPCの神経分化にはCav3.1を介した[Ca2+]i変動が必要であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では神経幹細胞の未分化状態から分化状態への変化の過程で、細胞内カルシウム濃度変動パターンが変化することを発見した。この発見は細胞が生存した状態で未分化と分化の2つの状態の違いを判別することを可能にする技術の基盤となる。幹細胞医療の実用化を進めるにあたり幹細胞の状態を非破壊で把握する技術の必要性は高い。本研究の成果はその非破壊幹細胞未分化・分化検出方法の開発の糸口になる。
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