研究課題/領域番号 |
20K06677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 津山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
柴田 典人 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (60402781)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 全能性幹細胞 / MTA / 再生 / プラナリア / ギャップ結合 / 分化全能性幹細胞 / 分化多能性幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
プラナリアは体のどの部分で切断されても、すべての断片が再生し固体になる驚異的な再生能力を持つ。この再生能力は新生細胞と呼ばれる分化多能性の幹細胞によって遂行される。本研究ではプラナリアがどのようなメカニズムで成体内で分化多能性の幹細胞を維持し続けているのか、について細胞同士の接着に着目して明らかにすることを目的としている。さらに細胞接着を介して新生細胞を維持する多能性因子の同定も試みる。
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研究成果の概要 |
プラナリアは全身に広く分布する全能生幹細胞である新生細胞を維持し、適切に分化制御することで、高い再生能力を発揮する。本研究では生体内における全能生幹細胞の維持機構を明らかにすることを目的とした。 プラナリアのMTA相同遺伝子である、MTA-A、MTA-B遺伝子の機能阻害個体で見られる新生細胞の局在変化と、その結果、再生不全が起こる。ギャップ結合に使われるイネキシン遺伝子であるinx-B遺伝子を同時機能阻害すると、MTA-Aの表現形のみ回復された。これらの結果から、新生細胞の維持にはMTAとinx-Bが関与する機構と、これとは別にMTA-Bが関与する機構の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトでは不可能な、生体内で長期にわたって分化全能性幹細胞を維持しているプラナリアから、その機構を学ぶことを本研究の目的とした。その結果、プラナリアはMTA遺伝子の発現を制御することで、幹細胞の接着性を変化させ、その結果、幹細胞の維持を行っている可能性を示唆できた。 in vitroにおいても長期間の維持の困難な全能性幹細胞を、良い状態で維持できる内在的な仕組みの一端を示すことができた本研究は、基礎的な再生研究に対して学術的な意義があり、さらに今後の再生医療の発展に寄与できる社会的意義を持つ。
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