研究課題/領域番号 |
20K06679
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
鳥羽 大陽 宮城大学, 食産業学群, 准教授 (10585160)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 植物発生 / パターン形成 / イネ / 突然変異 / 葉身 / 葉鞘 / 基部-先端パターン形成 / OsBOP遺伝子 / 発生 / 基部先端軸 / 葉の発生 / メリステム / 転写因子 / BOP遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
葉の発生開始は, 未分化細胞の集団からなるメリステムからの原基分化から始まる. 葉原基では, 発生軸に沿ったパターン形成が進行し, 基部先端方向などの組織時形成が生じる.イネの葉は, 基部側に葉鞘, 先端部側に葉身からなり, その発生運命はOsBOP遺伝子によって制御されている. OsBOP遺伝子は葉の基部側から発現を開始する. そのことから, その発現開始メカニズムが, 葉における基部先端の発生決定の鍵になると考えられた.本研究では, OsBOP発現開始の仕組みを, メリステムとの関係から解明し, 葉のパターン形成を理解することを計画する.
|
研究実績の概要 |
基部-先端, 中央-周縁, 向軸-背軸の3つの軸に沿った植物器官のパターン形成メカニズムを研究対象としている。これまでに, 基部-先端パターン形成のごく初期に基部側で発現を開始し,基部組織の分化に必須の役割をはたす3遺伝子OsBLADE-ON-PETIOLE1-3 (OsBOP1-3) に着目した研究を進めてきた。本研究では, 基部-先端パターン形成のモデルとし, イネの葉における葉身・葉鞘のパターンをするメカニズムの解明を目的とする。とりわけどのように先端側の葉身と基部側の葉鞘が一つの「葉」という器官の中で組織として分化し, 細胞が運命決定されるのかを理解するための解析を行っている。 これまでの研究より, OsBOP1遺伝子を遺伝子組換えにより過剰発現(異所的発現)させると, 葉の葉身形成が著しく抑制されることを示した。このことから, OsBOP1が葉身形成を抑制するのに十分な機能を持っているといえる。本年度は, OsBOP1過剰発現と共通した影響を示す突然変異体, つまり突然変異による効果として葉の葉身形成が著しく抑制される表現型を示す新規変異の解析を行なった。その結果, OsBOP1遺伝子の過剰発現による表現型とは異なり, 成長ステージのある段階における葉の葉身が顕著に影響を受けていることを明らかにした。この違いがどのように生じるのかを調べるため, その原因となる塩基配列変異も明らかにした。 以上に加えて, 令和5年度に実施予定のOsBOP遺伝子との遺伝的関係を調査する準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画どおりの進捗であること。また, 次年度研究への準備も予定通りに進んでいるため。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究により葉のパターン形成に関わることが分かりつつある遺伝子は, これまでに葉のパターン形成への関与およびOsBOP遺伝子との関連が報告されていない。そのため, 本研究で着目する遺伝子群が機能する分子基盤を明らかにすることで新規メカニズムに関する知見が期待できるようになった。本研究では, 葉の葉身形成が著しく抑制される突然変異アリルおよび葉身の形成がより促進される効果をもつアリルについて解析している。これら遺伝子群の関係性を明らかにするため, 多重変異体の作出およびRNAseqによる網羅的遺伝子発現解析を行い, 次年度に解析結果を取りまとめる見込みである。最終年度となる次年度は, 計画どおりに研究を遂行するとともに,新規メカニズムの解明に向けて必要となる課題を明確にする方針である。
|