研究課題/領域番号 |
20K06686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
草野 博彰 京都大学, 生存圏研究所, 研究員 (80447929)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 二次代謝 / メタボローム解析 / トランスクリプトーム解析 / NPF輸送体 / BAHDアシル基転移酵素 / イチイ / タキサジエン系化合物 / メタボローム分析 / シトクロムP450 / 生合成酵素 / 膜輸送体 / メタボローム |
研究開始時の研究の概要 |
植物特化代謝経路の成立には細胞内での空間的制御が必須だが、生合成酵素および膜輸送体といった具体的な実体を伴った説明は未だなされていない。本研究ではイチイ科植物のタキサジエン系化合物群をモデルとし、その生合成系酵素および膜輸送体を同定することで空間的制御の実体的な理解を目指す。生合成酵素や膜輸送体はその基質特異性により生合成経路の空間的制御に選択性を与える鍵である。本研究では独自開発のイチイの形質転換技術、高効率ゲノム編集システム、メタボローム分析法などを組み合わせることでイチイの遺伝子欠損体を使った遺伝子機能の解析を行い、これらをコードする遺伝子を同定する。
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研究成果の概要 |
イチイが産生するタキサジエン系化合物には抗がん薬として利用されるパクリタキセルやその類縁薬品の原料となる中間体化合物が含まれる。この化合物群の生合成の仕組みについては未解明な部分が多く、目下パクリタキセルの安定供給を目指す研究開発の主要な障壁となっている。本研究では細胞内区画の利用に関わる輸送体や生合成酵素をコードする遺伝子の同定を目的とした。生物情報学と合成生物学を駆使した手法で輸送体3種と新規酵素遺伝子2種を同定し、酵母での反応系を大幅に改善した。これらの成果は、新たに開発した解析手法の有効性を示したと同時に、合成生物学的な技術開発に資すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タキサジエン系化合物の生合成に関する未解明部分は抗がん薬パクリタキセルの持続的供給を目指す研究開発の障壁となっている。イチイは遺伝子研究が困難な木本植物であるため、研究基盤の整備が重要な課題であるほか、異種生物での生合成の再現が主な研究目的として想定される研究対象である。本研究ではゲノム・メタボローム等の大規模情報とその解析ツール群を開発し、酵母で機能する遺伝子セットの解明と、反応系の最適化に成功した。これらの成果は今後の遺伝子同定研究に大きなヒントを与えるほか、パクリタキセルの合成生物学的生産技術開発に資する成果であると考えられる。
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