研究課題/領域番号 |
20K06690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
稲田 のりこ 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (30432595)
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研究分担者 |
尾形 善之 大阪公立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90446542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 核内DNA倍加 / アクチン脱重合因子 / 植物成長 / 植物生長 / DNA倍加 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまでの研究において、シロイヌナズナのアクチン脱重合因子(ACTIN DEPOLYMERIZING FACTOR、ADF)の変異体が、核内DNA倍加の亢進と植物サイズの増大を示すことを見出した。本研究では、ADFによる新規のDNA倍加機構を解明するため、adf変異体について詳細な表現型解析を行い、ADFがDNA倍加制御に働く器官・組織、発生段階における時期を特定する。また、adf変異体における既知のDNA倍加制御因子の発現解析、adf変異体の網羅的遺伝子発現解析により、ADFが関わるDNA倍加制御経路を同定する。
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研究成果の概要 |
本研究は「シロイヌナズナのアクチン脱重合因子(ACTIN DEPOLYMERIZING FACTOR、ADF)の変異体は植物サイズ増大と核内DNA倍加亢進を示す」という発見に基づき、ADFを介した核内DNA倍加亢進機構の解明を目的とした。adfの植物サイズ増大・核内DNA倍加亢進の表現型は、LED型培養槽よりも蛍光灯型培養槽でより顕著に見られることを明らかにした。蛍光灯はLEDよりも紫外線強度が高いこと、adfはDNA損傷誘導薬剤に対する感受性が高くなることから、adfではDNA損傷修復機能に異常が起きており、蓄積したDNA損傷が核内DNA倍加の亢進を引き起こしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核内DNA倍加は、植物の発生や形態形成に重要な役割を果たしている。本研究成果は、核内DNA倍加の制御機構の解明につながるという学術的意義を持つ。また、研究代表者のこれまでの研究により、シロイヌナズナのadf変異体は糸状菌病原体によって引き起こされるうどんこ病に対して抵抗性を亢進させることが明らかになっている。病害抵抗性の亢進と植物サイズの増大という両方の表現型を持つadf変異体の解析は、食料問題の解決につながる「病気に強く大きく育つ」農作物の作成に向けた基盤を形成するという社会的意義を持つ。
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