研究課題/領域番号 |
20K06691
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
小林 康一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (40587945)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脂質 / 葉緑体 / 光合成 / チラコイド膜 / 植物 / シロイヌナズナ |
研究開始時の研究の概要 |
葉緑体が光合成によりデンプンを作ることは19世紀には知られていたが、光合成を担うチラコイド膜が葉緑体内にどのように作られるのかは未だ明らかでない。本研究代表者はこれまでの研究から、脂質による膜形成が光合成色素やタンパク質の合成を誘導し、葉緑体の発達を引き起こすという「膜脂質駆動モデル」に辿り着いた。本研究では、脂質合成が様々に変化したシロイヌナズナ変異体を調べることで、脂質駆動モデルの妥当性やそのメカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
葉緑体のチラコイド膜は光合成の光化学・電子伝達反応やATP合成反応を担っており,その機能は植物の成長や繁栄,生産性に深く関わる。チラコイド膜は,脂質二重層を基本とし,そこを足場に光合成タンパク質と色素の複合体が適切に組み立てられることで,正常な光合成膜として機能する。光合成膜の構築や葉緑体の発達過程における膜脂質の役割を明らかにするために、本研究では,葉緑体に特徴的な酸性脂質の合成欠損変異体を様々な角度から解析した。その結果、酸性リン脂質であるPGが、葉緑体や,葉緑体の前駆体であるエチオプラストの発達に重要であること、酸性糖脂質のSQDGがその役割を一部相補することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体膜を構成する極性脂質には数千を超える分子種が存在するが、脂質分子を対象とした研究の困難さから、生物がこれほどまでに多様な脂質分子を利用する意義はほとんど分かっていない。本研究では、地球上の生命を支える光合成反応の場であり、光合成生物において最も豊富に存在する生体膜であるチラコイド膜やその前駆体の形成過程に注目し、それらの主要な構成因子である脂質分子が担う役割の解明を目指した。その結果、チラコイド膜に特徴的な酸性リン脂質が特別な機能を持つこと、その機能を酸性糖脂質が一部相補することを明らかにした。本研究は、生体膜において多種多様な脂質分子が担う役割について、新たな視点を生み出すものである。
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