研究課題/領域番号 |
20K06695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
橋田 慎之介 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (60516649)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | NADP+ / NAD+ / NADP+脱リン酸化 / NAD+リン酸化 / ストロマ / pH / NADK / NADPP / NAD / NADP / シロイヌナズナ / 酵素 / タンパク質 / 葉緑体 / 光合成 / 電子受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成において、光によって駆動される電子伝達反応で化学エネルギーを合成するためには、電子受容体である葉緑体NADP補酵素が必要となる。近年、光合成エネルギーバランスを最適化する上で、葉緑体NADP補酵素の量的制御が酸化還元比制御と同様に極めて重要であることが示された。合成経路や増加に寄与する分子メカニズムについては研究が進展しているが、分解経路や減少に寄与する分子メカニズムおよび減少の必然性やその意義に関しては不明な点が多い。本研究では、葉緑体NADP補酵素の減少メカニズムを解明するとともに、その後の再生のボトルネックとなる前駆体供給経路を同定する。
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研究成果の概要 |
本研究は葉緑体NADP+減少メカニズムの解明とNADP+再生経路の同定を目的として実施した。葉緑体NADP+減少に関わる活性特性および代謝解析から、光遮断後のNADP+ 脱リン酸化(NADPP)によってNADP+が減少する事を明らかにした。NADP+の増加と減少に関わる両酵素の活性特性解析によって、葉緑体のNADP+量がストロマpH変化に応答したリン酸化と脱リン酸化によって調節されるメカニズムを新たに見出した。さらに、分取精製した活性濃縮画分に含まれるタンパク質のアミノ酸配列を決定し、新規のNADPP酵素として関連タンパク質を同定し、それらのシロイヌナズナ変異体も併せて同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光合成の最終電子受容体であるNADP+は光条件によってその量が変動するが、そのメカニズムは不明であり、NADP+とNADPHの総量であるNADPプールサイズの増加と減少の両面からの研究が必要であった。本研究では初めてNADPプールサイズ減少に関わる経路の同定に成功し、光依存性のpH変化に応答してNADPプールサイズが制御されるメカニズムを新たに提唱した。光エネルギーの入力強度に応じて出力が調節される仕組みの一旦が明らかになったことで、NADPプールサイズの調節によって光合成エネルギー収支を最適化できる事が示唆され、最適化に関わる植物育種戦略としても有望である可能性が見出された。
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