研究課題/領域番号 |
20K06696
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
笹部 美知子 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (00454380)
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研究分担者 |
町田 泰則 名古屋大学, 理学研究科, 名誉教授 (80175596)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 細胞分裂 / 微小管 / 紡錘体 / フラグモプラスト / キネシン / 微小管結合タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の細胞分裂は、植物細胞に特徴的な微小管構造体を介して実行される。しかし、これらの構造体が形成される仕組みや、分裂の過程で連続的でダイナミックな構造変換を制御する仕組みについては未知な部分が多い。本研究では、これまでの研究で見いだした分裂期特異的に機能する多機能性キネシン(Kin14)を基盤として、1) 各分裂期微小管構造体の形成と動態制御における Kin14 の分子機能を明らかにし、2) その機能を制御している因子や相互作用因子を同定し、その制御機構を明らかにすることにより、分裂期における微小管構造体の動態制御の分子メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
これまでの研究から、シロイヌナズナにおいて、機能未知の多数のメンバーからなるキネシン14ファミリー (Kin14) に属する特定のメンバーが、分裂期の様々な微小管構造体に局在し、分裂の過程でこれら構造体の動態制御に関与している可能性が明らかになっている。これまでに、Kin14について細胞生物学的な解析を進め、これらの因子が分裂期の様々な微小管構造体の動態を制御していることを明らかにし、その機能制御に翻訳後修飾が関与していることを明らかにしてきた。今年度はこれらの成果をもとに、遺伝学的な解析を進めた。これらの変異体の一つは雄性配偶体の細胞分裂の異常により致死となることがこれまでに報告されている。この変異体に、これまでに細胞レベルでの解析で明らかになってきたKin14 の機能に重要な翻訳後修飾に関わるアミノ酸に変異を入れたコンストラクトを導入し、雄性配偶体致死の表現型をレスキューできるかどうかを解析したところ、野生型Kin14の導入ではその表現型がレスキューされたのに対し、変異Kin14の導入では雄性配偶体致死の表現型はレスキューされなかった。このことは、Kin14の翻訳後修飾による機能制御が分裂期微小管構造体の適切な動態制御及び正常な細胞分裂に必要であると同時に、個体における正常な発生に重要な役割を担っていることを示唆している。これまでの結果から、本因子は分裂期微小管制御の主要因子の一つと考え、本研究において生体内における相互作用因子を高解像に解析可能な近接依存性標識法を進めている。今年度はこれまでの成果を投稿論文としてまとめると同時に、相互作用因子の同定を進め本因子や制御因子の分子機能を高解像度で明らかにすることにより、植物の細胞分裂制御の分子基盤についての理解をさらに進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度作成した翻訳後修飾の変異コンストラクトを用いて細胞レベル、個体レベルの解析が進んだ。具体的には、これらのコンストラクトを導入した培養細胞を用いた詳細なライブイメージング解析から、本因子が分裂期の特定の微小管構造体に対して独立の制御機能を有している可能性があることが明らかになると同時に、変異体を用いた解析から、これらの機能制御が正常な個体発生においても重要な機能を有していることが明らかになった。また、昨年度同定した本因子の相互作用因子の候補因子についても解析が進み、本因子が微小管の動態制御のみならず、細胞分裂期において新たな機能を有している可能性についても示唆するデータが得られつつある。in vivoにおける相互作用因子の解析手法として有望な近接依存性標識法についても条件検討の予備実験が終了し解析を実施する段階にまで進めることができた。生化学的な解析についてはやや遅れが生じているが、研究はおおむね当初の計画通り順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
Kin14タンパク質の制御機構を明らかにするため、相互作用因子の同定を進めているが、本年度は近接依存性標識法を進める。また、昨年度までに免疫沈殿法により同定した相互作用因子の候補因子について、個体における発現時期は発現組織等の細胞生物学的性質を詳細に明らかにすると同時に変異体の解析を進め、個体レベルでKin14との相互関係を明らかにする。これまでの解析から、Kin14は分裂期に依存した特異的な機能を有する多機能キネシンである可能性が示唆されている。この可能性を検証するために、Kin14の微小管に対する結合活性やモーター活性を試験管内で解析し、本因子の生化学的特性を明らかにしたい。細胞内でのライブイメージング解析と生化学的な解析、さらに遺伝学的な解析結果を総合的に分析して、分裂期を通じた微小管構造体の動態制御の分子メカニズムの解明を目指す。
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