研究課題/領域番号 |
20K06701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和田 元 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60167202)
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研究分担者 |
神保 晴彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50835965)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | シアノバクテリア / Synechocystis PCC 6803 / 脂質 / 光合成 / 光化学系II / 光阻害 / ホスファチジルグリセロール / モノガラクトシルジアシルグリセロール / ホホスファチジルグリセロール / アセンブリー / 光化学系II複合体 / 修復 |
研究開始時の研究の概要 |
光化学系II(PSII)は光合成の初期過程において最も重要な機能を担っている超分子複合体であるが、PSIIのアセンブリーや修復などの動的な過程における各構成分子の機能については不明な点が多い。その動的機能の解明にはPSIIがアセンブルされるときや修復されるときに、各構成分子が各過程のどのステップで取り込まれ、それらのステップでどのような役割を果たしているのかを解析する必要がある。本研究ではPSIIに結合している脂質分子に注目して動的機能解析を行い、アセンブリーや修復における脂質分子の動的機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究ではSynechocystis sp. PCC 6803を用いて、光化学系II(PSII)の修復における脂質の機能、特にリン脂質であるPGと糖脂質の1つであるMGDGの代謝回転の役割について、解析を行った。その結果、PSIIの修復過程では強光によって失活したPSIIにガラクトリパーゼ(LipA)が作用して二量体を単量体に解離させ、その単量体にホスホリパーゼ(Pla)が作用してCP43の解離を促し、D1の分解と再合成を促進することでPSIIの修復が起こることが明らかになった。これは、PSIIの修復過程における脂質の代謝回転の重要な役割を初めて明らかにした大変重要な知見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光は光合成に必要であるが、過剰な光エネルギーはPSIIの活性を低下させてしまう。この現象は光阻害と呼ばれ、植物の成長や物質生産を低下させる大きな要因となる。光阻害はPSIIが損傷する過程とそれを修復する過程とに分けられ、両者のアンバランスによって生じる。本研究で得られた成果は、損傷を受けたPSIIの修復に脂質の代謝回転が必要であることを初めて明らかにしたという点で独創的で学術的に大変意義深いものである。また、強光耐性植物の作製などにも重要な知見や指針を与えるものである。
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