研究課題/領域番号 |
20K06710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 (2021-2023) 甲南大学 (2020) |
研究代表者 |
岩渕 功誠 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (30583471)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 核様体 / 光 / 遺伝子発現 / 光分散 / 暗集合 / ゼニゴケ / 葉緑体 / DNA / 光応答 / 光分散反応 / 暗集合反応 / RNA-Seq / 蛍光寿命イメージング(FLIM) / ライブイメージング / cpDNA / 葉緑体核様体 / 変異体スクリーニング / トランスクリプトーム(RNA-Seq)解析 |
研究開始時の研究の概要 |
葉緑体の核様体が明暗条件にしたがって分布様式を変えることを発見した。核様体は明所で小さなスペックルを形成して葉緑体全体に分散し(光分散反応)、暗所で葉緑体中央に集合する(暗集合反応)。本研究の目的は核様体の光分散・暗凝集反応の仕組みとその生理学的役割の解明である。この目的のために(1)核様体のライブイメージング、(2)核様体の分布様式に異常が生じた突然変異体の単離・解析、(3)次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現解析および核様体領域解析を実施する。本研究は核様体の空間的配置という独自の視点で葉緑体の新たな機能を明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
我々は近年,ゼニゴケにおいて葉緑体核様体が明所で小さなスペックルを複数形成しながら葉緑体全体に分散し(光分散),暗所でスペックルの消失とともに葉緑体中央に集まる(暗集合)現象を発見している。核様体の光分散は光照射後3時間以内に起こる。核様体の光分散時に葉緑体DNAの高次構造変化が起こり,核様体の光分散と葉緑体遺伝子の発現変動には相関があることが示唆されている。我々はこうした事実をもとに,葉緑体DNAの高次構造変化を伴う空間再配置が,葉緑体遺伝子の光依存的な発現を調節するという新たなモデルを提唱する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
葉緑体は光合成を行い糖質を作り出す重要な細胞小器官である。本研究により,核様体の空間配置が葉緑体遺伝子の発現調節に重要な役割を果たすことが分かってきた。光合成の調節機構を完全に解き明かすことは、人工光合成研究への応用だけでなく、植物の光合成能力の向上や今後変動しうる自然環境の中で植物が生き残るための機能を知る上でも重要である。本研究はこうした応用研究を支える重要な知見を提供したと考えている。
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