研究課題/領域番号 |
20K06713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
西野 敦雄 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (50343116)
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研究分担者 |
藤原 滋樹 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (40229068)
藤本 仰一 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60334306)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ペースメーカー細胞 / リズム生成 / 進化 / 脊索動物 / 尾索動物 / 被嚢動物 / 心臓 / 拍動 / リズム形成 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓は,脊椎動物にとって不可欠な器官であるが,その進化的起源については未だ不明な点が多い。脊椎動物に最も近縁な無脊椎動物であるホヤ類も心臓をもつが,ホヤ類の心臓は定期的に拍動方向を反転させるという奇妙な特徴をもつ。本研究は,ホヤ心臓の部域特異的トランスクリプトーム解析,ゲノム編集技術を使った遺伝子機能解析,電気生理学解析,数理モデルによるin silico実験を行い,ホヤの心臓の構築と動作に関する分子メカニズムを解明する。これにより,長年謎だったホヤ心臓の拍動反転の仕組みを明らかにするとともに,脊椎動物の心臓の構築プランの進化的起源を解明する。
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研究成果の概要 |
心臓は,脊椎動物の生存に不可欠な器官であるが,その進化的起源については不明な点が多い。脊椎動物に最も近縁な無脊椎動物の系統に属するホヤ類の心臓は,拍動方向を定期的に反転させるという奇妙な特徴をもつ。我々は,カタユウレイボヤの心臓において,二つの独立したペースメーカー細胞集団が心臓管の両端5%の領域(P領域とよぶ)に局在することを明らかにした。また本研究において,P領域と非P領域におけるトランスクリプトーム解析を行い,特定のイオンチャネル遺伝子が片方のP領域の心筋細胞に限局して発現することを明らかにした。この遺伝子をゲノム編集技術により破壊すると,心臓に明確な表現型が現れた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心臓の働きは,「生きている」状態をもっとも端的に象徴する。脊椎動物にとって,心臓は不可欠な器官だが,その進化的起源には不明な点が多く残されている。その理由の一つは,脊椎動物に最も近縁な無脊椎動物の系統である被嚢動物がもつ心臓が,定期的に拍動する方向を変更するという,我々の心臓とは似ても似つかぬ奇妙な特徴を示すことにあると考えられる。我々は,ホヤと脊椎動物の心臓は,実は二つの振動子が結合されている系として共通していると考え,それらの間の共通点を探った。本研究は,拍動を制御するペースメーキングの分子機構のレベルで,ホヤと脊椎動物の心臓には共通点があることを明らかにした。
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