研究課題/領域番号 |
20K06717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
今野 紀文 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (50507051)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 広塩性 / 浸透圧調節 / 浸透圧ストレス / 転写因子 / 鰓 / 細胞骨格 / メダカ / 細胞内骨格 / 塩類細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究のゴールは、“広塩性魚と狭塩性魚の違いを生む要因は何か?”という問いに対する答えを示すことである。(1) メダカへの高浸透圧刺激に応答してOstf1発現を誘導する転写調節領域を探索して発現制御機構を明らかにするとともに、(2) Ostf1遺伝子を過剰発現および機能欠損させたメダカの作出とそれを用いた表現型解析からOstf1の機能に迫る。また、(3) 狭塩性魚のゼブラフィッシュにメダカのOstf1遺伝子を過剰発現させる機能獲得実験を行うことで、真骨魚の淡水から海水への再進出という進化の一端を実験的に検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、メダカへの高浸透圧処理により発現が誘導されるOsmotic stress transcription factor 1(Ostf1)という転写因子の機能について調べた。メダカへの高浸透圧処理は多くの体組織でOstf1の発現を著しく増加させ、細胞に普遍的な反応を示した。またOstf1過剰発現メダカ細胞においてアクチン重合に関与するCDC42EP3発現が増加し、Ostf1-KOメダカにおいてCDC42EP3の発現は高浸透圧処理で増加しなかった。本研究から、Ostf1はCDC42EP3の上方調節を介して細胞骨格系を強化し、高浸透圧ストレスからの細胞保護に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、魚類の広塩性と狭塩性の違いに、Osmotic stress transcription factor 1(Ostf1)という転写因子の機能の差異が関係しているという仮説の検証を目的として実施した。その結果、広塩性魚のメダカの海水適応において、Ostf1がCDC42EP3の上方制御を介して細胞骨格系の強化に作用している可能性が示唆された。狭塩性魚のゼブラフィッシュにおける先行研究では、Ostf1が浸透圧変化に応答しないことが報告されていることから、Ostf1の発現制御領域の違いが広塩性と狭塩性の差異と関連している可能性が考えられる。今後はOstf1の発現制御機構について調査する。
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