研究課題/領域番号 |
20K06721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
竹内 栄 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20226989)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 羽形成 / 性差 / 遅羽 / ホルモン制御 / メラノコルチン系 / プロラクチン系 / 甲状腺ホルモン系 / ニワトリ / プロラクチン / 甲状腺ホルモン / 皮膚付属器 / ホルモン応答 / 部域差 / 体色 |
研究開始時の研究の概要 |
ニワトリでは,雛と成鳥メスは保護色(逆影)を,成鳥オスは婚姻色を示すが,成鳥オスにエストロゲンを投与すると,鞍部の羽は暗色化し,胸部の羽は明色化して成鳥メスと同じ保護色に変化する。本研究では,性ホルモン応答性の部域差が明確なこの系を用い,皮膚付属器の性ホルモンに対する応答性の部域差を創出する分子基盤を解明する。さらに,エストロゲンの局所産生の可能性を検証することで,雛が成鳥メスと同じ保護色を発現するしくみを解明する。
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研究成果の概要 |
ニワトリの鞍羽は顕著な性差を示し,雌では褐色の丸型羽であるのに対し,雄では光沢のある赤褐色の飾り羽で小羽枝を欠くフリンジ構造がみられる。この雄に特徴的な形態は,ASIPとDIO3の発現と相関しており,成鶏雄にE2を投与するとこれらの発現が低下し,雌型羽が形成される。本研究では,羽髄細胞にT3を作用させるとPOMC mRNAの発現が亢進すること,ニワトリASIPが糖タンパクとして分泌されること,羽包では既知の甲状腺ホルモン受容体に加え,新規の機能欠損型受容体が作られていることなどを明らかとした。また,プロラクチンによる羽伸長作用にも甲状腺ホルモン系が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮膚付属器は性選択を含む様々な淘汰圧を受ける重要な構造体である。その性差形成や伸長に関わるホルモンの作用機序の理解は,基礎生物学的に重要であるだけでなく,育毛や美容といった面からも強い要請がある。この意味で,得られた結果は,皮膚科学や育毛,美容といった関連分野への波及効果が高いと考えられる。
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