研究課題/領域番号 |
20K06730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
太田 啓介 久留米大学, 医学部, 教授 (00258401)
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研究分担者 |
広重 佑 久留米大学, 医学部, 助教 (50647782)
都合 亜記暢 久留米大学, 医学部, 技能職員 (80569517)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 形態 / リン酸化 / 脱リン酸化 / 脱共益 / スフェロイド / ダイナミクス / FIB-SEM |
研究開始時の研究の概要 |
近年ミトコンドリアの形と代謝機能の相関が注目されるが、その独特な形を決めるメカニズムは明らかでない。 我々は脱共役によるミトコンドリア膜電位消失がミトコンドリアの未知の形態維持機構に影響を与え、さらにリン酸化・脱リン酸化がその過程に影響する可能性を示唆する結果を得ていた(未報告)。本課題は、これを実験モデルにそのメカニズムや関与するリン酸化・脱リン酸化酵素を同定することを目的としている。この結果はミトコンドリア形態維持機構の存在を確かめるだけで無く、ミトコンドリアの形と代謝機能の相関、さらには糖尿病など生活習慣病に対し新しい評価軸、新たな治療戦略を与えるものである。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリア独特な形は動的に変化し、細胞代謝機能との相関が注目されるものの、その独特な形状を規定する責任分子・メカニズムは明らかにはなっていない。本研究は脱共役剤処理後のミトコンドリア形態変化が表面張力に依存して変化する現象であることを利用し、リン酸化・脱リン酸化阻害剤がこの形態変化に及ぼす影響を解析した。その結果リン酸化が亢進した状態ではミトコンドア独特な細長い形態が維持され、リン酸化状態が低下することで形態維持機構が破綻しトマトサイト形成が促進されることを示唆するものであった。本研究によりリン酸化・脱リン酸化がミトコンドリア形態の決定に関与することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
秒単位でその形態を変化させるミトコンドリアの形態が細胞代謝機能と関係するだろうと注目され、ミトコンドリア形態のダイナミクスが糖尿病をはじめとした多くの代謝性疾患により影響される可能性が示唆されている。しかし、その分子メカニズムと代謝機能との相関ははっきりとはわかっていなかった。本研究により、リン酸化・脱リン酸化機構という、細胞内のイベントがミトコンドリア形態に直接影響するという事実は、ミトコンドリアがなぜあのような形をしているのかという基礎的な問についての研究を推進するとともに、糖尿病や生活習慣病に伴う代謝障害に対し、新しい評価法、治療の標的になり得る知見につながるものと期待している。
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