研究課題/領域番号 |
20K06731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
大田 修平 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 特別研究員 (20455926)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 藻類 / ストレス / ホスファチジルイノシトール3リン酸 / 分子イメージング / 細胞形態 / 多様性 / オートファジー / 植物細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は環境中のさまざまなストレス対して防御機構を備えている。それらのストレスに対する機構は生物種や環境因子によって多様である。真核生物ではストレス応答機構としてオートファジーが知られ、出芽酵母や哺乳類細胞を利用した研究が加速している。一方、植物細胞にもオートファジー現象が確認されているが、出芽酵母や哺乳類細胞を利用した研究に比べて遅れている。特に、オートファジーの多様性や進化といった視点での研究例はほとんどない。本研究では進化的に多様な微細藻類を対象にし、オートファジーに重要な膜脂質分子の局在を蛍光顕微鏡法や電子顕微鏡法により明らかにし、“広義の植物”に関するストレス動態とその進化を理解する。
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研究実績の概要 |
生物はさまざまな環境ストレス対して防御機構を備えているが、生物種によって多様な仕組みが備わっている。真核生物にはストレス応答機構としてオートファジー(ATG)が知られている。ATGは細胞内のタンパク質のリサイクル機構として知られ、酵母や哺乳類細胞を利用した研究が多数報告されている。一方、植物細胞にもATGが確認されているものの、動物や酵母細胞を対象にした研究に比べて遅れている。本研究ではATG過程に見られる微細構造や膜脂質組成の変化をフローサイトメトリーや分子イメージングにより明らかにし、“広義の植物”に関するストレス応答の動態とその多様性を理解する。 2021年度は、真核生物の多様な系統群に属する微細藻類を対象に、それぞれATG機構に着目したストレス応答動態の多様性を理解することを目的とした。国立環境研究所微生物系統保存施設(MCC-NIES)に維持されている藻類株のうち、特に広義の緑藻である藻類株を選定し、間接蛍光抗体法の実験、並びに、オートファジー関連遺伝子群の分子系統解析を実施した。選定した藻類株は、ストレプト植物であるMesostigma viride NIES-296や 広義の緑色植物の最も原始的な系統的位置にあるPrasinoderma coloniale NIES-2582など、緑色植物の多様性を調べる上で重要な分類群を選定した。ATG機構上流のセカンドメッセンジャー分子であるホスファチジルイノシトール3リン酸(PI3P)の動態をフローサイトメトリーで解析したところ、コア緑藻とストレプト植物では、PI3Pの細胞内動態が異なることが示された。ストレプト植物では酵母や哺乳類細胞で見られるタイプの細胞内動態であるのに対し、コア緑藻では酵母や哺乳類細胞とは異なるタイプの細胞内動態であることが示唆された。
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