研究課題/領域番号 |
20K06733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 暢明 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (20517924)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多感覚情報統合 / フェロモン / 求愛行動 / エファプス / 定型的行動 / ショウジョウバエ / 性行動 / 多感覚統合 / 本能的行動 / 神経基盤 |
研究開始時の研究の概要 |
3年間の研究期間の前半で、雌臭の情報を受け取る嗅覚系神経の匂い応答をリアルタイム・カルシウムイメージングによって調べる。また、神経の機能亢進や阻害を引き起こす遺伝子産物を人為的に特定の神経で発現させることで雄の求愛行動に変化が生じるか調べ、各種嗅覚系神経の機能解析を行う。後半で、個体の求愛経験や内的条件に応じて、そうした嗅覚系神経の雌臭に対する応答が変化するか、また変化するのなら、その変化を引き起こす神経機構を生理学的手法を用いて調べる。
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研究成果の概要 |
キイロショウジョウバエの雄の求愛行動は定型的で、多感覚情報を統合しつつ、複数の行動要素を決められた順に発現することで交尾に至る。我々は、lateral antennal lobe tract projection neuron 4(lPN4)と呼ばれる神経が、雌の発する揮発性物質に応答し、またその応答が、雌の非揮発性フェロモンの受容にともなって抑制されることを明らかにした。さらに、行動実験から、lPN4が多感覚入力のAND-gateとして働くことで、雄が非揮発性フェロモンを受容するための行動を経てから、求愛歌を奏でることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物が様々な局面で、決められた行動要素を決められた順に発現することはよく知られている。しかし、反射を除いて、そうした定型的な行動パターンを生じさせる神経機構はほとんど明らかになっていない。我々は、ショウジョウバエの雄の求愛行動をモデルに研究を行い、雄が雌に脚で接触して非揮発性フェロモンを受容した後に、求愛歌を奏でる順序を発現するための神経機構を解明した。今後、同様の神経機構が、様々な動物種に行動を定型的に発現させるために用いられているか検討がなされることであろう。
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