研究課題/領域番号 |
20K06748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 生理学研究所 (2021-2023) 愛知医科大学 (2020) |
研究代表者 |
加塩 麻紀子 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特任准教授 (20631394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | TRPM2 / 体温 / リン酸化 / 代謝 / イオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
体温センサーTRPM2チャネルの体温下活性は、種々の細胞内因子による調節を受ける。本研究は、これまでに見出した新規TRPM2活性制御機構に注目したものであり、分子生物学的・生化学的・電気生理学的手法を用いた検討によりその分子基盤の詳細解明を目指すとともに、ミトコンドリア機能(ミトコンドリア膜電位、ATP産生能、酸素消費量)調節を始めとした代謝制御におけるTRPM2の生理的意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
TRPM2は温度感受性の非選択的陽イオンチャネルである。本研究では、体温下TRPM2活性制御機構の一つと考えられる細胞内Ca2+とTRPM2リン酸化によるTRPM2活性化温度閾値調節の分子基盤を明らかにした。細胞内Ca2+は濃度依存性にTRPM2の温度閾値を低下させ、TRPM2リン酸化は細胞内Ca2+の効果に拮抗することで温度閾値を上昇させた。PKCによるリン酸化部位として同定されたThr738のリン酸化不全変異(T738A)はPKCの効果を消失させ、リン酸化模倣変異(T738D)はPKCの作用を再現したことから、TRPM2閾値調節御におけるThr738リン酸化の重要性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温度感受性TRPM2は、脳、免疫細胞、膵臓等の体温下に保たれた広範な組織に発現しており、免疫機能やインスリン分泌調節への関わりが明らかになっている。一方で、過剰なTRPM2活性は細胞死や炎症を増悪させることも数多く報告されており、生理的環境においてTRPM2体温下活性が適切に調節されることで種々生理機能に寄与していると考えられる。生理的環境で変動しうる細胞内Ca2+とPKC活性によって体温下TRPM2活性が制御されることを示した本研究成果は、TRPM2機能の関わる生理機能・病態生理の解明、さらには温度によるTRPチャネル活性化の分子基盤の解明につながることが期待される。
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