研究課題/領域番号 |
20K06751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 公益財団法人サントリー生命科学財団 |
研究代表者 |
高橋 俊雄 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 主幹研究員 (20390792)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 非神経性アセチルコリン / オルガノイド / 腸幹細胞 / シグナル伝達経路 / 分化 / 増殖 / 組織形成 / 生体分子 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生理学 / 発生・分化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、遺伝子改変マウスを用いた分子生物学的アプローチによってAChが非神経細胞型ACh受容体を介して幹細胞制御に関与するという仮説をin vivoで検証する。具体的には、2つに大別されるACh受容体の欠損マウスを用いて、腸幹細胞における代謝型mAChRsとチャネル型nAChRsの機能及びシグナル伝達経路の違いを明らかにする。また、生物学的シグナル伝達系にはポジティブループとネガティブループの双方が存在するという一般原則を考慮すると、代謝型mAChRsとチャネル型nAChRsによる腸幹細胞制御の拮抗的二重支配という受容体間の機能的相互作用の存在が想定され、その存在の有無を明らかにする。
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研究成果の概要 |
研究代表者は、チャネル型nAChRsの役割を調べた結果、腸幹細胞に隣接するパネート細胞に局在するチャネル型α2β4を介して腸幹細胞の分化・増殖が促進されていることを明らかにした。さらに、代謝型mAChRs(M1-M5)のノックアウトマウス(KOマウス)の解析から、M3-KOマウスのクリプトでは、EphB/ephrin-Bファミリー分子の濃度勾配の変動により、腸幹細胞の分化・増殖が促進されていることを見出した。すなわち、腸幹細胞に局在する代謝型M3を介して分化・増殖が抑制されていることを明らかにした。本研究により、代謝型M3とチャネル型α2β4を介した拮抗的な腸幹細胞の制御の一端が見えてきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、幹細胞やそのニッチを容易に同定することができる腸幹細胞システムをモデル系とすることにより、いまだ不明な点が多く残存する腸幹細胞と微小環境の相互作用によるホメオスタシスの維持機構の一端を明らかにすることができた。このことは、様々な組織幹細胞の基礎生物学的特性の理解にも繋がると考える。また、本研究により、腸上皮に存在するAChが腸幹細胞を制御する局所のシグナル分子であり、腸幹細胞制御の直接的及び間接的なACh作動性シグナリングが解明され、組織幹細胞による組織形成プログラムの解明に大きく貢献できると期待している。
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