研究課題/領域番号 |
20K06754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
宮本 教生 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 研究員 (20612237)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | プランクトン幼生 / 分散 / 行動 / 神経系 / 発生 / 神経 / ペプチド / 遺伝子発現 / 画像解析 / 幼生 / プランクトン / 深海 / ホネクイハナムシ |
研究開始時の研究の概要 |
深海底には熱水噴出孔や鯨骨域など局所的に生物量の多い場所が知られており,そのような場所では,その環境でしか生息することができない固有な生物種が優占する場合が多い.また深海底に点在する生息地間の移動は幼生期に海流により分散することがほとんどである.すなわち幼生期の長さやその間の行動が深海生物の分散を理解する上で最も重要である.本研究では鯨骨群集幼生の行動とその行動を司る神経系,行動に影響を与える環境要因とその受容システムを明らかとする.これは深海生物幼生の行動を分子細胞レベルで解明する初めての例となり,深海生物の分散について新規な知見をもたらすものとなる.
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研究成果の概要 |
深海底の限られた環境にのみ生息する生物が、いかにして分散しているのかは謎に包まれている。本研究では、深海鯨骨域に特異的に生息するホネクイハナムシ Osedax japonicus をモデルとして、深海底の生物の分散メカニズムを明らかとすることを目的とした。研究期間を通じて、幼生の繊毛帯や神経系の発生を詳細に記載し、また幼生の生存期間や温度耐性などから、ホネクイハナムシ幼生は、発生過程を通して表層に浮上することなく、深海の低層流に乗って分散することが明らかとなった。またセロトニン作動性ニューロンの幼生の遊泳行動への関与が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物の分散は、生息場所の拡大や他の個体群との遺伝的な交流をもたらす生態学的・進化生物学的に重要な過程である。深海生物は採集や飼育が困難であることから、具体的な分散過程が解明されている種は存在していない。ホネクイハナムシは唯一安定して継代飼育が可能な深海生物であり、幼生の飼育を通して行動や分散過程を解明した本研究は、深海の生態学的研究に新たな知見をもたらすものである。また深海生物の分散メカニズムを理解することは、海洋生物の保全をどのように行うべきなのかの判断材料となる。
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