研究課題/領域番号 |
20K06762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
田中 卓 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 主席研究員 (80425686)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DNA複製 / RecA / PriA / 転写 / SDR / G4 / multi-replicon / transcription / replication origin / R-loop / RNase H / DNA replication / G-quadruplex |
研究開始時の研究の概要 |
染色体DNA複製機構は、複製起点(origin)と開始因子の結合から始まる一連の反応で構成される。真核生物は、環境変化に応答して、originの選択と開始のタイミングを変動させるが、この制御機構は不明である。最近グアニン四重鎖(G4)が、転写やDNA複製に関わることが報告され、DNAの"かたち"による新たな制御機構の存在が強く示唆される。原核生物のoriC-DnaA非依存性複製は、multi-replicon様式のモデルとなるが、申請者が同定した新たなoriginには、G4配列が含まれていた。本申請研究では、G4による複製開始モデルを構築し、真核生物の新たな複製開始制御機構を確立する。
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研究成果の概要 |
最近、グアニン四重鎖(G4)構造が様々な核酸代謝に関与する可能性が示唆され、DNAのかたちによる新たな制御機構が存在する可能性が高い。真核細胞のmulti-repliconのモデルを構築するため、バクテリアの安定DNA複製(SDR)に着目した。複製起点として同定したoriT1には、機能未知の遺伝子、ycjDと、典型的なG4形成配列が含まれる。精製YcjDタンパク質は、G4特異的結合能を示した。SDRは転写に依存するため、T7 promoter下にG4配列を置き、転写依存性ゲノム複製系を構築した。この結果は、転写に伴って、DNAとRNA間に形成されるG4が重要な役割を果たすことを強く示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNA複製開始機構の解明は様々な疾患の原因究明と治療法確立に必須の課題であるが、分子間相互作用に基づく解析のみで解明することができない。G4の核酸代謝機構への関与は、DNAのかたちによる新たな制御機構の存在を示唆しており、真核細胞の複製機構の解明にブレークスルーをもたらすものである。真核生物のmulti-repliconの解明に、大腸菌SDRをモデルとして用いる発想は他になく、ユニークな結果を得られることを期待できる。本研究では、G4の転写に依存する複製開始を、転写誘導依存性複製開始機構を人工的に構築することで実現しており、新たな制御基盤の確立に重要な視点を提供する。
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