研究課題/領域番号 |
20K06763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
渡辺 絵理子 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 准教授 (20337405)
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研究分担者 |
渡邉 明彦 山形大学, 理学部, 教授 (30250913)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Crisp / sperm storage / newt / Crisp2 / アカハライモリ / 貯精 / CRISP2 / CRISP / 輸精管 / 両生類 / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
アカハライモリ等の有尾両生類では、精子は形成されてから雌に受け渡されるまでの数カ月間にわたって、雄の輸精管内で受精能を維持した状態のまま貯蔵が可能であることから、貯精後に受精能獲得を必要とする哺乳類等とは異なる貯精機構の存在が示唆される。本研究では、Ca2+透過性チャネルを抑制的に制御するCysteine-rich secretory protein 2 (CRISP2)遺伝子をゲノム編集により欠損させた動物の精子の受精に関わる表現型の変化の解析と、抗体を用いたCRISP2の発現様式を解析することにより、有尾両生類の輸精管の機能進化に果たしたCRISP2の役割を検証する。
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研究成果の概要 |
アカハライモリ精巣で発現するCRISP2vとCRISP2vsを同定した。CRISP2vsはion channel regulatoryドメインを欠く、CRISP2vのスプライシングバリアントであり、両者は標的細胞に競合して結合、Ca2+透過性チャネルの開口を制御すると考えられる。Crisp2vs mRNAのCrisp2v mRNAに対する相対発現量が多い輸精管の精子では、クオリティーの指標となるCa2+の精子中片への局在が維持されていた。また、精包構成分子を分泌する骨盤腺と腹側腺でのCrisp2vとCrisp2vsの合成、分泌が示唆され、精包中でも精子クオリティー維持に働く可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
異なる受精様式を持つ動物種においては貯精部位、期間がそれぞれ異なり、独自の貯精機構を持つと考えられる。本研究により、体内受精を行う有尾両生類では、輸精管を含む雄性生殖管におけるCRISP2vとCRISP2vsを用いた独自の精子のクオリティー維持機構を獲得したことにより、その受精様式を成立させるために必要な長期の貯精が可能となったことが示された。CRISP2vとCRISP2vsは細胞外タンパク質であることから、生殖補助医療や家畜生産における精子のクオリティー維持技術の開発に貢献することも期待できる。
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