研究課題/領域番号 |
20K06774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
安増 茂樹 上智大学, 理工学部, 教授 (00222357)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 機能進化 / 生物システムの創生 / 孵化酵素 / 卵膜 / ZPタンパク質 / 正真骨魚類 / 遺伝子重複 / 硬骨魚類 / 卵膜分解機構 / 新規機能遺伝子 / 卵膜分解 / 新規機能獲得 / 新規システム構築 |
研究開始時の研究の概要 |
真骨魚類の孵化酵素は、分岐の早い魚では単一酵素の卵膜分解系であるのに対し、分岐の遅い正真骨魚では2種類の酵素(HCEとLCE)による効率の良い分解系に進化した。正真骨魚類で初期に分岐するキュウリウオ目は3つの酵素 (HCE, LCE, HE)の分解系で、2種の酵素系(HCE/LCE系)が成立する以前の移行段階の分解系を維持していると考えられる。HEは卵膜分解を担保することにより、HCEとLCEの進化圧を軽減して、2種類の酵素による分解システムの確立を補助しているように見える。本研究は、卵膜分解系をモデルに、進化過程で生物機能の新システムがどのように誕生するのか、その分子メカニズムを提唱する。
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研究成果の概要 |
真骨魚類の孵化酵素遺伝子は、進化過程の遺伝子重複により単一酵素系から2種の酵素(HCEとLCE)の効率の良い卵膜分解系に進化している。正真骨魚類で分岐の早いキュウリ目のアユでは、もう一つの酵素(HE)が存在し3つの酵素系である。卵膜の分解活性を調べるとアユHCEは、他の正真骨魚類HCEと同様な活性を示すが、アユLCEまたはHEは、HCEと合わせて作用させても効率の良い卵膜分解は起きない。分子系統解析より、同一祖先の酵素遺伝子の重複の結果、LCEとHEが生じたことがわかっている。これらの結果は、重複遺伝子の一方の遺伝子が新規機能を獲得する過程は、より複雑な進化段階が存在することを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重複遺伝子が、どのように新規機能を獲得してきたかを解明することは、進化学において重要な課題である。分子系統解析で同一のクレードに属する遺伝子は、同様の機能を示すとは限らず、新規機能獲得はタンパク質の機能の解析が必須である。孵化酵素の卵膜分解では、孵化酵素と卵膜構成タンパク質の相互作用という比較的簡単なシステムであるという点で絶好の材料といえる。今回の結果より、遺伝子重複後に複数の酵素遺伝子が生じた後、生物システムに対してより効率よい変異が生じた遺伝子が残り、他の重複遺伝子は、失われることが示唆された。本研究は、新規機能獲得をタンパク質の機能レベルで研究した独創的な研究といえる。
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