研究課題/領域番号 |
20K06775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中川 草 東海大学, 医学部, 准教授 (70510014)
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研究分担者 |
坂口 翔一 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20815279)
宮沢 孝幸 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (80282705)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 内在性レトロウイルス / 分子進化 / 比較ゲノム / 新規遺伝子 / 哺乳類 / ゲノム進化 / レトロトランスポゾン / 膜タンパク質 / 膜融合 / 進化モデル / 受容体 / 細胞融合 / レトロウイルス / 新規機能遺伝子 / 胎盤 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスゲノムが宿主ゲノムに水平伝播した配列(EVE)が、宿主で機能遺伝子となった場合の進化モデルを構築する。EVE由来の遺伝子は、類似の機能をもっていても、動物の系統ごとに由来となるウイルスが異なることが多い。宿主で新規機能を獲得しているEVE由来の遺伝子が、進化の過程で別のEVE由来の配列に置き換わるためである(バトンパス仮説)。その要因は、EVE由来の遺伝子と宿主の感染受容体の関係が重要であると考えた。本仮説を検証するために、哺乳類の胎盤形成に関与するEVE由来の遺伝子と相互作用する宿主受容体について、ウイルス学実験により同定し、大規模に分子進化解析を行う。
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研究成果の概要 |
内在性レトロウイルスに由来する遺伝子の進化解析を目標とした。ヒトなどの胎盤形成に関わるsyncytin-2をモデルとして着目し、新世界ザルの12種のゲノム配列を探索した結果、3種ではナンセンス変異によってORFが短くなっていることがわかり、フサオマキザルでは短くなっていなくてもいくつものアミノ酸変異が膜融合活性を下げていることが分かった。2種の単孔類のゲノム配列を解析し、400アミノ酸以上コードするレトロウイルス膜タンパク質由来する配列が、カモノハシでは2配列しかなかったものの、ハリモグラでは121配列も存在し、特に膜融合活性をもつものもあることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、レトロウイルス由来の遺伝子はダイナミックに進化しており、たとえ長さが変わっていなくてもその活性などは種によって大きく異なる可能性が示唆された。これはおそらく他のレトロウイルス由来の遺伝子などが関わっている可能性が強く示唆されるため、そのような種ではどのような遺伝子が関わっているのかなどは更に検討する必要があると考える。また、胎盤発生と膜融合活性をもつ配列の獲得は密接に関わると考えられていたが、我々の研究成果は単純な因果関係ではなく、必要条件なのかもしれないが、少なくとも十分条件ではないことを明らかにした。
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