研究課題/領域番号 |
20K06787
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
福井 眞生子 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 講師 (90635872)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 卵門 / カマアシムシ目 / 卵門様構造 / オリエンテーション / 組織学的検討 / 卵形成 / 卵殻形成 / 後胚発生 / 卵殻の獲得 / 陸上進出 / 受精 |
研究開始時の研究の概要 |
地球上で最も成功した動物群である昆虫類は、節足動物の中でも際立って特殊化した卵膜構造と受精戦略をもつ。このことにより昆虫類は、水域に依存しない生殖と発生を実現し、陸上での爆発的な適応放散を果たした。本研究は、昆虫類の祖先が陸上で最初に適応した「土壌環境」が卵膜構造の強化をもたらした可能性を初めて指摘する。さらに、卵膜構造の強化に伴った受精戦略の進化を明らかとし、昆虫の繁栄をもたらした根本的な要因と、そこに至る進化的変遷を解明する。
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研究実績の概要 |
今年度は、前年度発見されたカマアシムシ卵殻上の「すり鉢状構造」について、1.個体差の影響を排除すること、また、さらなる詳細な切片観察たのめに2.位置を特定することを目的に研究を行った。 まず、産下卵20個を用い、卵表の高解像度撮影および焦点合成を行った。 これらの卵のうち、4卵に直径10μmほどのサークル状の構造を観察することができた。 この構造をさらに詳細に検証するため、SEM観察を行った。カマアシムシ卵は微小かつ球形で、ランドマークとなる表面構造が卵前極以外に存在しないため、卵の外部形態観察からは卵の前後軸以外が判別できず、胚の位置を確認することによってのみ卵の背腹を判別することができる。以上の問題を解決するために、胚発生後期の卵を透過観察した上で、ランドマークの代替として穿孔を施しSEM観察を行った。以上のことにより、カマアシムシ卵において初めて極性の明らかなSEM観察像を得ることができた。この観察から、卵の背側には卵腹側と比較してより大きな突起が分布していることが明らかとなった。一方で、卵の側面および背面のSEM観察においては、生卵で観察されたリング状の構造を示唆するような表面構造は観察することができなかった。 また、卵門を染色できる可能性のあるクマシーブルー染色を発生後期卵に施し、観察を行ったところ、前極から背側にかけて強い発色がみられた。今後はクマシーブルーによる強い染色が見られた領域にさらに注目し、詳細な観察を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数のカマアシムシ生卵で卵門様の構造が観察されたこと、卵の極性が判明した状態でのSEM観察が可能になったことから、SEMによる卵門様構造の記載を行える可能性がでてきた。切片作成と並行して外部形態観察も行っていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
極性を明らかとしたSEM観察を精力的に進めていくとともに、前年度からの課題である、卵門様構造のTEM観察を行い、六脚類基部分岐での受精様式を明らかとしていきたい。
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