研究課題/領域番号 |
20K06793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
研究代表者 |
長谷川 匡弘 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (80610542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Pollination ecotypes / 生態的種分化 / 訪花昆虫相 / マルハナバチ / 屋久島 / 送粉者 / 送粉者シフト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、送粉ネットワークの中心となる訪花昆虫種の欠落が、植物の送粉者シフトを伴う生態的種分化を引き起こす、という仮説を屋久島高地において検証する。屋久島高地では、夏季以降に本来マルハナバチ媒と考えられている植物種またはその近縁分類群が、次々と開花するが、この時期にはマルハナバチが不在である。このためこれらの植物種は、近縁分類群と異なる送粉生態を持つ可能性が極めて高い。屋久島高地で系統的に異なる複数種の送粉生態を調査するとともに、花形態や訪花者への報酬等の違いを本土の近縁分類群と詳細に比較することで、これらの植物で並行的に、マルハナバチとは異なる送粉者への適応が起こっていることを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、送粉ネットワークの中心となる訪花昆虫種の欠落が、植物の送粉者シフトを伴う生態的種分化を引き起こす、という仮説を屋久島高地において検証する。具体的には、屋久島高地において、系統的に異なる複数種の送粉生態を調査するとともに、花形態や訪花者への報酬等の違いを本土の近縁分類群と比較することで、これらの植物で並行的に、マルハナバチとは異なる送粉者への適応が起こっていることを示す。 2023年度は、ヤクシマシオガマの近縁種であるハンカイシオガマ、イワテシオガマについて訪花昆虫調査、花形態に関わる調査を実施した。これらの調査は昨年度実施予定であったが、調査した集団が開花終盤であり、本年度再度実施したものである。両種とも昨年度確認した集団において、タイムラプスカメラを設置し訪花昆虫の撮影を行った。撮影された動画の解析は実施中だが、ほぼ完了している。結果としては、両種とも訪花昆虫のほとんどがトラマルハナバチであり、両種ともトラマルハナバチに送粉を依存していることが示唆された。 この他、2023年度は、本研究で調査を予定しているノギラン、ツクシゼリ、ヤクシマコオトギリ等の植物についても調査を実施予定であったが、調査を予定した期間が悪天候のため送粉生態調査を実施することができなかった。これらの植物種については、2024年度より本格的に調査を実施する予定である。これらの植物の送粉生態調査に係る申請については、すでに文化庁、環境省等と交渉しており、調査時期までに許可が得られる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度調査については、予定していた調査の内、ヤクシマシオガマ以外の植物に関係する調査が実施出来ていない。また、2020年度、2021年度は新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から屋久島での調査がほとんど実施できておらず、2023年度調査についても当初の予定を大幅に変更せざるを得なくなった。このため、本研究の進捗に関しては「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、引き続き必要な研究機器を購入するとともに、ノギラン、ツクシゼリ、ヤクシマコオトギリについて本格的に調査を開始する。調査地については現地協力者から情報を得て決定済みである。関係省庁からの許可が降り次第調査を開始する。また、これらの種類の近縁分類群の調査地を決定する。
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