研究課題/領域番号 |
20K06798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
池田 啓 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (70580405)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 種分化 / フィトクロム / RNAseq / 光感受性 / 光受容体 / 環境適応 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は周囲の光や温度を感知するために,フィトクロムと呼ばれる受容体タンパク質をもつ。フィトクロムは環境を感知することで,光や温度の変化に対する様々な分子レベルの変化を引き起こし,開花や発芽のタイミングを変化させることで,環境に適応した生活史を作る中枢としての役割をもつ。したがって,フィトクロムの環境を感知する精度(環境感受性)が変化することは,植物が新たな環境に適応するための基盤であると考えられる。本研究ではこの仮説が成り立つかを,生理学実験と遺伝学的な解析をもとに検証する。
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研究成果の概要 |
植物の光受容体が,新たな種を生み出す種分化を引き起こす引き金となるかを検証するために,日本列島に分布するミヤマタネツケバナとその姉妹種で北極圏に広く分布するCardamine bellidifoliaの進化プロセスを明らかにする研究に取り組んだ。ゲノムワイドな遺伝子の変異を分子進化学的に解析する研究とシロイヌナズナの形質転換体などを用いた光応答に関連する生理学実験を行うことで,日本列島固有のミヤマタネツケバナが種分化するプロセスには,植物の赤色光受容体であるフィトクロム(PHYB)の光に反応する感度の違いが関わることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フィトクロムの光を感知する性質の変化が植物の種分化と関わることを裏付ける証拠を世界で初めて発見した。この成果は,フィトクロムの感受性によって制御される生理機能から種分化を理解するという新しい研究課題を提示することで,生物の種分化を引き起こすメカニズムの理解を深めることの一翼となる。また,フィトクロムの機能を操作することで,環境に適応した植物をデザインできるという新しいアイデアを創出することで,育種における新たな着眼点を提示する意義がある。
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