研究課題/領域番号 |
20K06800
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
|
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
志賀 靖弘 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (00277253)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 甲殻類 / 背甲 / 進化 / 形態形成遺伝子 / CRISPR/Cas9 / RNAi / 発現解析 / vestigial / scalloped / Sex Combs Reduced / wingless / 遺伝子発現 / ゲノム編集 / RNA-seq / 背甲形成関連遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、W.T.Calman によって1909年に提唱されてから100年以上経った現在でも結論が出ていない「背甲は甲殻類の系統における原始的な構造物である」という仮説を、オオミジンコをはじめとした複数種の甲殻類生物における「背甲形成関連遺伝子」の分子発生生物学的解析により検証することを目的としている。 この検証のために(1)研究代表者がオオミジンコにおいて同定した主要な背甲形成関連遺伝子の、オオミミジンコ以外の甲殻類における発現パターンおよび機能解析、(2)オオミジンコの主要な「背甲形成関連遺伝子」のゲノム編集による機能解析と下流標的遺伝子の同定を計画している。
|
研究成果の概要 |
本研究は「背甲は甲殻類の系統における原始的な構造物である」という、1909年に W.T.Calman によって提唱されてから100年以上経った現在でも結論が出ていない仮説を、オオミジンコをはじめとした複数種の甲殻亜門生物における「背甲形成関連遺伝子」の分子発生生物学的解析により、総合的に検証することを目的とした。 本研究により、アメリカカブトエビの背甲形成の分子機構が、オオミジンコのそれと共通している可能性が高いこと、ブラインシュリンプが「背甲を持たない」ことと、いくつかの背甲形成関連遺伝子の発現様式が関連していることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、生物の形態形成機構の進化を分子発生生物学的な見地から研究する「進化発生生物学(EvoDevo)」が重要な研究分野となってきた。提唱されてから100年以上経った現在でも結論が出ていない「甲殻類の背甲の進化起源」を探る本研究課題からは、主題である「背甲の進化の謎」に対する解答に留まらず、節足動物全体の形態多様性の成立と形態形成遺伝子群の分子進化との関係などに関して、学術的に意義の大きい、新たな知見が得られつつある。またこれらの知見は、エビやカニ等の食用甲殻類資源の保全や改良、食物連鎖を通じた生態系の回復や保全など、他の分野の研究にも寄与することが大いに期待される。
|