研究課題/領域番号 |
20K06808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 誠治 北海道大学, 農学研究院, 農学研究院研究員 (00467086)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 親による子の保護 / 行動生態 / 親子推定 / 家族内コンフリクト |
研究開始時の研究の概要 |
父性の確かさが両親による保護の進化要因であるという説は2000年代より提唱されているが、検証例は少ない。申請者はこれらの説と、両親による保護を行う昆虫は全て地中または固い壁を持つ巣を作り巣の中に餌があるという巣の特性を持つことから、巣の構造が他のオスからメスを守りやすく、父性が確保しやすいため、前適応として働いたという仮説(Suzuki, 2013)を提唱した。 本研究ではこの仮説検証のためモンシデムシのオスによる保護が本当に父性を高めるのか、メスや幼虫はオス親にどのように働きかけるのか、祖先的な近縁種はそのような働きかけを持たないのか、を検証する
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研究成果の概要 |
マイクロサテライトDNA プライマーを用い、野外における両親による子育てと母親のみによる子育てでオスのばらつきを検証した。メスのみの子育てに比べオスがいると父性の偏りが強くなり、Suzuki(1013)の仮説を支持した。またメスによる托卵も多数発見され、オスの存在が托卵を防げていないことも明らかになった。結果の分析は完了し、現在論文を準備している。 また、実験の副産物として闘争による体へのダメージが次回以降の産卵に与える影響のデータが得られた。オスの体が傷ついたときはメスの産卵数が減り、メスの体が傷ついたときは産卵数が増えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
親による子の保護とは「子供の生存率を高めると予測される親のあらゆる性質」を指す。その中でも両親による子の保護は進化的にも不安定であるとされる。申請者は両親による保護を行う昆虫は全て地中または固い壁を持つ巣を作り巣の中に餌があるという巣の特性を持つことから、巣の構造が他のオスからメスを守りやすく、父性が確保しやすいため、前適応として働いたという仮説(Suzuki, 2013)を提唱した。昆虫の両親による子の保護は10回以上独立に進化しているが、Suzuki(2013)の検証はこれらの進化要因を統一的に扱うことができる可能性を秘める。
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