研究課題/領域番号 |
20K06810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 幸恵 筑波大学, 生命環境系, 助教 (60414629)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 種分化 / 接触帯 / 交雑 / 遺伝子浸透 / 生殖隔離 / 生殖隔離の強化 / 遺伝浸透 / 山岳 / 標高 / 半倍数体 / ハダニ / 交雑帯 / 雑種形成 / 半倍数性 |
研究開始時の研究の概要 |
生殖隔離は不適な雑種形成の妨げにもつながるため、自然選択により強化されうることが古くから提唱されてきた。しかし、それがどれだけ自然界における種分化に貢献しているかについては、今も議論が絶えない。本研究では、これまで注目されてこなかった半倍数性の遺伝システムをもつ近縁ハダニ2種を対象に、生殖隔離の強化の検証を行うとともに、交雑帯における遺伝子流動や、雑種の適応度、そして半倍数性の特徴が強化に与える影響を調査することにより、半倍数体における生殖隔離強化がおこる条件や倍数体との違いを考察し、生殖隔離の普遍性について検討する。
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研究成果の概要 |
これまであまり着目されてこなかった半倍数体における生殖隔離の強化を調べるために、半倍数体であるススキスゴモリハダニ種群近縁2種の接触帯の状況、接触帯での遺伝的集団構造、生殖的隔離状況の調査を行った。これら近縁2種は標高による棲み分けがみられるが、山の中腹で2種の接触帯が形成されていた。野外性比は種間交尾が起こっていることを示唆し、室内交配実験でも強い交尾後接合前隔離が見られたものの雑種形成が確認された。しかし、接触帯では雑種は見られず、遺伝子浸透もごくわずかであった。そのため、交尾後接合前隔離に加えて何かしらのメカニズムにより遺伝子浸透が抑制されていると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日ある生物多様性を理解する上で種分化機構の解明は重要な研究課題の一つである。アリやハチといった人間とは異なる遺伝システムをもつ半倍数体は、最も種数の多い分類群といわれる節足動物のおよそ15%を占めるが、半倍数体を対象とした種分化研究は数少ない。半倍数体ハダニ近縁2種における接触帯の状況、接触帯での交雑状況を明らかにした本研究は、半倍数体の種分化研究の推進に大きく寄与するものである。
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