研究課題/領域番号 |
20K06822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高橋 佑磨 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (00707622)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 潮汐リズム / 内在リズム / チリメンカワニナ / 遺伝子流動 / 標高 / 適応 / 潮汐 / リズム / 河川 / カワニナ / 適応進化 / 移住荷重 / 形態 / 行動 / 流水適応 |
研究開始時の研究の概要 |
生物の新規局所適応を制限する要因を明らかにすることは、各生物種の分布の成り立ちを理解する上で非常に重要である。環境の異なる集団間での遺伝子流動は、非適応的な遺伝子の頻度を高めることで局所適応を妨げることが理論研究により指摘されている。一方、河川では、標高に沿って多様な環境への局所適応が見られると同時に、上流から下流への非対称な遺伝子流動が下流側の集団の適応を阻害している可能性がある。本研究では、河川性のチリメンカワニナを材料に、複数河川において環境勾配に対する平行的な局所適応を検証するとともに、河川の構造が集団の進化の不完全性や局所絶滅に与える影響を検証する。
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研究成果の概要 |
河川では下流ほど潮汐の影響が強いため、上流から下流への分布拡大には潮汐サイクルへの適応が求められる。一方で、隣接する環境間で遺伝子流動がある場合、とくに移入を受けやすい下流側において、局所適応が困難になる予想される。河川性巻貝のチリメンカワニナは一部の河川で感潮域まで分布が広がっている。本研究では、まず、本種において感潮域集団の個体だけが活動量に概潮汐リズムを示した。ただし、実験室内で潮汐サイクルに暴露すると、どちらの集団の個体であっても約12時間周期の活動リズムを示した。このことは、環境サイクルに応答して内在リズムが変化させることで、本種が下流環境に適応してることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内在リズムは、多くの生物が有する基本的かつ普遍的な表現型である。本研究は、このリズムが種内で変化しうることを示した。異なった内在リズムの獲得は、生物がことなる環境リズムの場所に分布を拡大するさいにもっとも重要な形質変化の一つである。本研究では、行動変化のみならず、その遺伝基盤にもアプローチできた点で、生態学や進化生物学、あるいはその関係分野に大きなインパクトを与えるものである。
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