研究課題/領域番号 |
20K06829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 貴弘 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 准教授 (40374706)
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研究分担者 |
西野 浩史 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (80332477)
宮田 弘樹 株式会社竹中工務店 技術研究所, その他部局等, 研究員(移行) (90416628)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 音声コミュニケーション / 振動コミュニケーション / 社会進化 / ハキリアリ / 聴覚器官 / プレイバック実験 / 菌食アリ / 膝下弦音器官 / SGO / ジョンストン器官 / 骨伝導マイク / 行動生態学 / 進化学 / アリの音声コミュニケーション / 進化 / 生態 / 聴覚 |
研究開始時の研究の概要 |
アリ類の音声コミュニケーションの進化を網羅的に解析するために、中南米、オーストラ リアを調査対象地に主にフタフシアリ亜科とハリアリ亜科の発音器官の形態、音声頻度や行動レパートリー解析、社会構造との相関解析、遺伝解析、そして音声受容器官(耳にあたる もの)の形態・機能解析を行う。このことにより現在新興の学問分野である生物音響学に新 たな研究フィールド構築するだけではなく、ヒアリやハキリアリなど、農業被害、経済被害 の大きいアリ類の新たな防除法開発にまで繋げていきたいと考えている。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はアリ類における音声を用いたコミュニケーションの実態を解明し、「文法」や「辞書」を発見することにある。独自に開発した小型高性能録音装置を用いた音声データの詳細な解析、SEM画像解析、操作実験、免疫染色を用いた聴覚器官の発見と構造の解析、独自に開発した再生システムを野外に設置し、プレイバック実験を行った。結果として、複雑な音声コミュニケーションの実態とその進化過程を解明でき、世界に先駆けて詳細な聴覚器官の構造解析に成功した。また、プレイバック実験でも特定周波数に強く反応するデータも世界で初めて得られた。このように本研究は多大な成果を上げることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、真にオリジナルのアイデアと発見に満ちており、学術的意義が高い。アリ類における振動シグナルコミュニケーションの進化は、複雑な社会構造の進化とリンクしており、他の、例えば人間社会におけるコミュニケーションの進化研究にも応用可能な普遍的な学術的価値がある。さらに、ハキリアリは中南米で大きな農業害虫であり、地域社会に甚大な被害をもたらしている。現状は農薬・殺虫剤での防除が行われているが、環境への負荷が大きく、代替の環境配慮型の手法の開発が急がれている。振動音を使った防除はこれに合致しており、ESGの観点からも社会的意義の大きな研究成果を得ることができた。
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